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2006年6月

ヒルズ族盛衰記02 だまされやすい日本人

2 だまされやすい日本人

 ファンドの秘匿性とそれを利用するロンダリング心理を記載した。
 何度も繰り返すが、ファンドが悪いわけではない。また秘匿性が悪いわけではない。また、それを利用することもまったく悪くない。村上ファンドもライブドアもその投資ファンドが違法ということもなく、匿名性が悪いとして逮捕立件されたのでもない。ライブドアは粉飾決算と証券取引法上の風説の流布で、そして村上ファンドはインサイダー取引で立件されたのである。そして、その罪は投資ファンドでなくても立件されるものである。
 さて、日本人はだまされやすい。日本人は世界で最もだまされやすい人種であろうと思う。日本には、過去に天下一家や豊田商事など数多くの出資法違反事件があり、その防止法が制定され、都市を王ごとに強化されているが、それでも、ココ山岡や八葉グループなど様々な事件が後を絶たない。中には成功している事案も少なくない。最近では、プライベートバンクを装った出資事件で、社長が行方不明になるという事件が有名になった。この文書で問題にしているライブドアや村上ファンドは、それら出資という観点では成功しているという評価になる。
 では、なぜ日本人はだまされやすいのであろうか。いくつかの要因がある。まず、日本人は完全に情報が不足している。世界の情勢や世界の金融、要するに日本の外で人・物・金がどのように動いているか知らない。日本のマスコミはほとんどスキャンダルばかり取り上げており、正確な世界情勢の報道がなされていないのが現状であろう。視聴者はそのようなものよりもスキャンダルを求め、また、マスメディアは大衆迎合の番組をつくる。これでは、バラエティ番組ばかりになってしまって、報道がなされなくなってしまう。ニュース番組はあっても、事件報道ばかりで、政治や、国際社会などの背景を深く行うものはなく、結局ワイドショーの延長または見出しでしかない報道になってしまうのである。その状態では、日本に正確な情報が入ることもなくなってしまうし、その機会も失われてしまう。
 そのようなことで、大衆以外も黙っているのは、日本人が長きにわたって記憶を中心とした教育を受けてきたことによる弊害が出ているのである。私が学生時代までの教育は、先生が授業で言った通りのことをテストの答案用紙に写すことが最高の評価を得られた。今から5年前に「ゆとり教育」といって行ったが、その結果が惨澹たるものであったことは明らかである。一つには教育者が記憶教育以外を教えるまたは生徒を評価する能力がないこと、そして、それら考える教育に関し、考える基準がないことである。
 教育に関しては別な論に譲るとして、結局、他人の与えたものを受け入れるということしか教育されていない状態で、自主的にマスコミやそのほかの情報を検証または考察する能力は、日本人から決定的にかけている。このことは、自分で考えなければならない局面、自分で判断しなければならない局面に際して、その判断ができず、他人の意見に流されることを意味する。
 このことによって、催眠商法などの「ビジネス」が日本国内で成立し、「被害者」といわれる人を増やす土壌を形成している。
 要するに、情報がなく、そして情報がない状態を疑問に思わない国民性を、日本の戦後60年の教育が作り出したといえる。
 さて、「被害者」とココでカギカッコをつけたのにはわけがある。彼らは、「あわよくばヒト儲け」と思って利殖したのである。これは投資でありまたは出資である。要するに、出資にはもうかる場合ともうからない場合がある。当然に出資者の自己責任のうえでのリスクがある。しかし、多くの事件になった場合、事故のリスクを棚上げして「被害者」になる。それは(かわいそう)という感情論であり、自己責任の回避を感情的に行っているだけである。それらを「被害者」と呼べるのかははなはだ疑問であり、今回のライブドアの出資者被害者の会などは、株主代表訴訟以外、それも事件になった部分の限定的な責任以外は「自己責任回避の被害者」でしかない。特に株券を購入している被害者はなおさらである。
 さて、話をだまされやすい日本人に戻せば、教育以外にもあと二つその要因があると考えている。一つは日本人の「常識」であり、もう一つは間違ったグローバル(国際)化である。

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ワールドカップ敗退

ワールドカップサッカー日本敗退

 このブログは、国会新聞のブログなので、原則政治または国際向きのことを書くのであるが、まあ、今回は大目にみてもらってワールドカップについて。

 基本的に、今回の敗退は予想可能であった。期待が持てるとか、ブラジルと決戦とかマスコミも冷静でないサッカーファンもそのようなことをいっていたが、オーストラリアとの試合をみて、冷静に一時リーグ敗退を予想できないのはいかがなものか、と思う。
 私は、小学生のころサッカーをしていた。富士見ヶ丘サッカークラブという地域の小学校のクラブ活動でしかなかったが、しかし、関東大会で準優勝するなどなかなか評価された少年サッカークラブであった。あるとき、黒人と多くのテレビカメラが来た。その当時封切りになる映画『勝利への脱出』のプロモーションに来たペレという選手である。サッカーの神様といわれた選手で、世界十の憧れであった。ようするに、彼が関東大会準優勝の少年サッカークラブに教えに来たのである。もちろんプロモーション活動の一環である。
 そのときの指導は、いまだに忘れない。
「個人がうまくてもチームが下手ならば試合に負ける」
「シュートを打たなければ点は入らない」
 私のサッカーチームには、たしかにうまい人がいた。青木君、金田君、会沢君、そしてキーパーの寺島君。みなフォアードやミッドフィルダーといった役柄であったが、運動のできる小学生の特性としてわんぱくで、目立ちたがり屋であった。そのような雰囲気を察してか、まずチームの話をした。そして、キーパーまで全員が相手のゴールを目指すことを教えたのである。
 今回の日本はひどいものであった。みていてチーム全体が機能していないのが明らかであった。
 具体的には、ボールに群がるディフェンスでサイドやバックはがら空き。その間隙をつかれ、または頭を超されて簡単に得点を挙げられてしまう。また、全員でディフェンスに入ってしまうので、相手陣営にボールがいってもまったくつながらない。結局個人が持っていく以外に相手のゴール前にボールが行かないのである。
 パニック映画のエキストラのような日本人選手の動き。ボールが右に行けば全員で右に行き、左はがら空き。左右に振られてセンターが空いたところで中央からシュートを打たれておしまい。
 特に、日本の場合、先制点をとると逃げ切ろうとして守りに入ってしまうために、完全に攻撃できず、また多くの数でボールを追いかけて左右に振られるので、味方同志で邪魔になり、かえって相手のチャンスを増やしてしまう。
 まったくチームとして役割分担ができていないのである。
 今の日本企業もなにも、サッカーばかりでなく同じ構図を持っている。何か小さなそれでも目立つ事件に目が行き、本質的に問題となっていることや、重要なことを見落としてしまう。外野、観客は一時的に熱狂するが、それはサッカーのためでなく、自分のストレス発散のためでしかない。冷静に周囲を見回して本質的なことをアドバイスする人がいない。
 サッカーというスポーツを通しても、日本の欠点が見えてくる。

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2006年のニュース(1) ヒルズ族盛衰記2

1 投資ファンド

 この事件で注目されたのが、海外に資金送金後に日本の有価証券を買うとする、いわゆる『投資ファンド』の存在とその運用についてである。
 この投資ファンドそのものが悪いということはない。日本の資金を海外に送金したり、出資したりすることは、正常な経済活動において重要かつ適法なことである。当然に、一度海外に投資し、その会社が日本の有価証券を買うことはまったく問題がない。
 問題は、その出資における匿名性である。日本の民放においても匿名組合という物が存在し、その出資者(組合員)を匿名にするということが可能な法律体系になっている。また、株式会社においても、基本的に株主に関する情報を公開する必要はない。上場会社の場合に、独占禁止法の要請があって、公開する場合があるが、小口出資者全員までこうかいすることはない。
 同時に、昨年より個人情報保護法が施行されるにいたり、株式会社の情報公開はかなり限定されることになる。当然に、海外への出資などに関してはなおさらのことであろう。
 匿名性が高いということは、当然に秘匿性が高く、その金銭の出処や由縁も問われたり、第三者から追及されないということである。当然に人に知られたくない金を流通させるのに最も役に立つ。要するに、マネーロンダリングの手法として使われることが多いということになるのである。
 マネーロンダリング、と日本でいうと、どうしても暴力団組織の資金と同義語で使われてしまう。しかし、それだけで数千億もの資金を集めることは難しい。暴力団は確かに金を持っているかもしれない。もちろん真相はわからないが、もし、持っていたとしても、それだけの資金を一カ所または数カ所に分けたとしても、同じ株取引相場に資金をつぎ込み、利殖を狙うのを待つとは思えない。同時に、村上氏側、つまり受け手も、暴力団組織からそれだけの資金を一挙に受け、運用するのはむずかしい。ほかに方法や金銭の利用方法がないというものではないので、双方にとってリスクが大きすぎるのである。
 では、どのような金が入るのであろうか。
 主に二つが考えられる。一つは犯罪がらみの場合。もう一つは脱税目的の場合である。もちろん、この二つばかりが資金元といっているのではない。マネーロンダリング資金として入ってくる金銭の種類に限定してこのように考えられるということである。
 犯罪といっても、暴力団ばかりが犯罪を犯すわけではない。もちろん、脱税も犯罪であるが、それ以外にも、横領着服といったものや、窃盗恐喝、詐欺など、金銭にかかわる犯罪は少なくない。それらの中でも、一般人が行うものは少なくないのである。
 詐欺や窃盗などで立件されないものも少なくない。ほぼ確実に告訴されない場合がある。それは、犯罪に絡んだ金銭を、搾取した場合である。元の持ち主、つまり金をとられた人も、所有していないことになっている金銭の場合は、それを元に告訴することはまずない。告訴すれば自分も犯罪者になってしまうからだ。よって、一定の確立において、横領など犯罪または犯罪的搾取資金が、そのままこれらファンドに流れることは少なくない。
 その点では、もう一つのマネーロンダリング的出資理由、つまり、脱税目的も同様に、ファンドに出資されることが少なくない。
 脱税は、金銭所有者が正確に申告しなかったことによって税金を払わないことに所以する。通常に申告を間違えた場合は、『申告漏れ』という修正申告となる。しかし、そこに故意が明らかな場合は脱税という犯罪に発展する。その場合は懲役や罰金などという懲罰と、重加算税という、通常の税金の3倍もの税金と支払い期日からの利息を払わなければならない行政処分の二つが襲ってくるのである。
 安全に資金を残すには、何らかの事業に使わなければならない。要するに投資出資をしなければならないのである。要するに使わなければ税金でとられてしまうので、後で帰ってくる使い方をしなければならないということである。
 そのときに、出資の元手をどうして手に入れたか。などの第三者からの介入をさせない。または、配当に関しても詮索されないようにするには、匿名性が必要となってくるのである。
 何度も繰り返すが、投資ファンドそのものも悪くないし、匿名性も悪いことではない。法律に匿名組合をつくることが可能な条項がある以上、道義的というところは別にして、法律的に問題はないのである。
 しかし、それらのこと、要するに法律的に可能なことを組み合わせれば、投資ファンドはできてしまうのである。
 投資ファンドの日本での法律上の根拠は、信託法である。その信託先が、日本人がしている外国の投資目的の匿名組合であるというような法律構成をする。当然に信託管理者または、信託の運用受託者が、村上ファンドであり、村上世彰氏ということになる。ライブドア事件でいえば、組合が外国のファンド「なんとか一号」であり、運用受託者が堀江貴文氏ということになり、その投資先はライブドアの株価と連動して利殖し、信託受益権を配布していたことになる。

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2006年のニュース (1) ヒルズ族盛衰記の1

2006年のニュース

 2006年のニュースをテーマごとにまとめます。国会新聞の記事とは別にどうぞ。

(1) ヒルズ族盛衰記

 2006年の重大ニュースのうちの一つに、確実に入ると考えられるのが『ライブドア堀江社長逮捕』であろう。
 この事件は、それまで強気な経営とマスコミ露出、そして拝金主義ともいえる金銭での支配による株式会社買収を繰り返したライブドアとその代表取締役の堀江貴文氏が、有価証券取引法の風説の流布や商法の粉飾決算などの罪に問われて逮捕されたという事件である。
 堀江氏は、それまでも自身の著書で有価証券取引に関する「金もうけ術」を展開したり、また昨年9月の総選挙に出馬するなど、話題性に事欠かなかっただけに、その話題の中心であり、現代の、ITバブルといわれるIT長者の代表格が逮捕されたことによる市場のショックはかなり大きかった。
 また、この事件では、キーマンの一人と目される関係者一人が沖縄で自殺している。この自殺については、当初から週刊誌などで他殺説をいうものも少なくなかったが、警察の捜査結果は自殺のままである。その自殺の裏には、ライブドアの錬金術に関し論だリングが必要な資金などが流入したとされる噂も取りざたされた。真偽は別にして、日本にいる通常の人々や捜査では、その資金の流れが不透明であるとされたことは確かである。そして、その流れのすべてが、海外を舞台にした投資ファンドの存在である。
 そして、この流れに関しては、多くの政治家も、そして資金を隠しているものも、そして、暴力団までが、この投資ファンドを利用しているというのである。もちろん、その利用が適法か、違法かは別にして、多くの日本人がわかっていない投資ファンドが舞台となったということは、着目すべきである。

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経済同友会が日中関係へ提言

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 経済同友会が日中関係へ提言
  ポスト小泉をにらんで存在感をアピール

 経済同友会は、この五月になって「今後の日中関係への提言」として、日中両政府に対しての提言をまとめた。
 この提言では、中国進出機牛が三万五千社を超え、また日本の対中貿易額が二〇〇五年に対米貿易額を超え、日本の最大の貿易パートナーであることを鑑み、その関係の良化が国際社会の平和と反映に貢献するものとして位置づけている。その上で①過去の反省と相互理解に基づく『未来志向の新日中関係』を構築する、②日中友好関係から、相互信頼、相互尊重の精神を深化させ、『包括的戦略的パートナーシップ』に発展させる、③様々な世界課題を呼び東アジアの持続的発展に向け,日中両国が連携・協力し、各国と共に発展する『共進化』に積極的に貢献する。という三つの基本理念の下に構成されている。
  この中で注目すべきは、①の相互理解に基づく『未来志向の新日中関係』である。
 経済同友会の提言では、小泉首相の靖国参拝問題に関し「不戦の誓いをする馬として、逝去分離の問題を含めて、靖国神社が適切か否か、日本国民の間にもコンセンサスは得られていないものと思われる」として追悼碑、慰霊施設の新設を訴えている。
  これは、五月十八日に経団連の奥田会長の最後の記者会見に際して、日中関係に触れて「のどに小骨が刺さった感じで流れていき、悪化はしない」「個人的な信条と国益とは、一致する場合もあれば一致しない場合もあるので、総理はそこを考えて行動されるものと思う」と小泉総理の行動を肯定、靖国参拝を容認した発言と異なるものである。また、一月二十三日の御手洗新経団連会長も、小泉首相のアジア外交について、必ずしも失敗とは見ていないと、奥田会長の路線を基本的に引き継ぐ方向で話をしている。
  二つの経済団体が、この時期に日中関係に影を落とす靖国参拝問題について、まったく異なる立場に立つのは、九月に行われる総裁選において、靖国問題とアジア外交がひとつの争点となっているからである。
  そもそも、靖国参拝問題を総裁選の争点として持ち込むことそのものが問われる中、経済団体がこのように政治問題に提言を行うことは、ポスト小泉に対するひとつの圧力として、経済同友会が経団連と異なる存在感を示したといえるのではないだろうか。

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 安倍晋三官房長官、歴史認識・総裁選出馬について語る

国会新聞は毎月15日発行
購読は年間5000円です

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03-3582-1841  宇田川まで

6月号の記事下書きです


安倍晋三官房長官が五月二九日に東京都港区内ホテルにおいて昼食セミナーを開催した。清和会(森派)会合の前日であり、またその前日に九月に行われる「自民党総裁選立候補表明」と報道された直後だけに、ほぼ満席という盛況ぶりであった。
セミナーの中で、安倍官房長官は自民党総裁選立候補表明報道に関しては「人間は同じことを繰り返し答えるというのに飽きてくることがあり、間がさしてしまって、ニュアンスを変えて発言したら、あのような報道になってしまった」と早急な立候補表明報道に関しては否定したものの、自らの進路に関しては「いまは、官房長官という職務を全うすることとしか考えていない。官房長官という仕事は、現在の内閣を支える仕事であり、その仕事は多忙を極める。しかし、そのような職務を全うし結果を出すことことによって、自ずと道は開けてくると考えている」と発言し、総裁選出馬に関して意欲を示した。
また、総裁選の一つの争点になると予想される歴史認識に関しては、「政治が歴史に介入することの是非を論議すべきである」とし「歴史認識は外交的な意味合いを持つので、基本的には歴史家に任せる必要がある」としながらも「明らかな事実誤認に対しては是正しなければならない」としている。
教育問題に関しても、同様の歴史問題に関する問題を提起し、一九八八年イギリスのサッチャー首相の教育改革を例に取りながら、「自虐的教育の改革」を訴えた。イギリスの例で「植民地政策の悪いところばかりを教育するのではなく、バランス感覚を持った教育を行うべき」とし「自分の過ちを認める勇気を持つことは重要であるが、自分だけが過ちであったと認める愚を冒してはならない」として、会を締めた。
今回の昼食セミナーは、安倍官房長官が、ポスト小泉における自らのビジョンのうち、歴史認識に関する考え方や教育基本法改正などを通して、自虐的歴史観や自虐的外交からの脱却を自らの政治姿勢として表明する場となった。

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