民主党鳩山由紀夫代表選出と小沢傀儡政権との批判について
民主党鳩山由紀夫代表選出と小沢傀儡政権との批判について
5月11日に、小沢代表が突然の辞任をした。この件に関しては、すでに、文書で書いているとおりである。この辞任を受けて、5月16日に、民主党は代表選挙を議員総会で行い、議員投票により鳩山由紀夫前幹事長が岡田克也前副代表を破って代表に選出された。
民主党の代表選挙は唐突に行われる。12日の役員総会で決定し、16日の午前中に立候補の受付、午後に立候補者による演説会を行い、告示期間もなく議員総会で選出する。マスコミ諸兄の努力により、早くから鳩山幹事長と岡田副代表で争われるということが明らかになっており、同時に、前日には、各紙夕刊でその投票同行で鳩山氏が選出されるであろうことまで、見出しを踊らせていた。そのときは115対105票という具体的な数字まで出す新聞まであった。実際は、有権者数221票(民主党の集散両議院総数)。欠席1票。無効1票。有効投票者数219票。鳩山氏124票。岡田氏95票。と言う結果で鳩山新代表が選出されたのである。
残念なことに、新型インフルエンザの国内感染が拡大中で、翌17日の朝刊各紙の1面トップは鳩山氏が飾ることはなかったが、その辺の運のなさも鳩山新代表らしいエピソードかもしれない。この新聞見出しに関しては、いまから25年くらい前、西武ライオンズ優勝をかき消した芸能事件があり、西武ファンがかなり落胆していたのを思い出す。ちょうど当時横綱であった貴乃花関と人気絶頂のアイドル宮沢りえさんが婚約したというきじであった。数ヶ月後に婚約が解消されて、西武ライオンズファンの怒りが再燃したのを、巨人ファンの私はヤジウマ的におもしろおかしく見ていた。何となく、鳩山新代表就任の新聞記事に関しては、このエピソードを思い出してならない。
個人的な思い出はさておき、鳩山代表が決まった。民主党には、よほど人材がいないのか、常に出てくる人が変わらない。結党当初、菅直人氏と鳩山氏の二党体制、その後相互が一回ずつ行い、岡田氏、もう一度菅直人氏で自由党と合併、そして前原氏、小沢氏、そして鳩山氏が今回就任する。立候補者を見ても、これ以外に河村氏や松沢氏がでるくらいで、いずれも地方自治体の首長に転出している。
鳩山新執行部と言っても、結局上記の代表経験者のオンパレードで、前原氏が無くなり、参議院会長の輿石氏が入っているにすぎない。結局、この人たち以外に名前を聞かない政党になってしまっている。今回の代表選挙に関しても、民主党内には第三の候補擁立の動きがあった。しかし、第三の候補擁立に動いたある民主党代議士は「選挙期間の短さと、小沢の多数派工作で25人の推薦人を集めることができない」という。そればかりか、「この動きをしていることがばれれば、小沢に干される。公認も危ないかもしれない」というのだ。
この小沢恐怖政治は民主党の中で鳩山代表の中でも続いている。結局選挙という身分補償制度の中で、その全権を持ったのが小沢である間は、結局全ての民主党議員が小沢の言うままに動かなければならないのだ。それが嫌ならば党を割ればよいのだが、これは二つの理由でできない。一つの理由は、政権交代という大義だ。自民政権を終焉させると言うことを大義に抱えている以上、党を割って別な政党を作っても小沢連立の中に入ってしまう公算が大きい。また政治家である以上は、政権という物に魅力があるのだ。その誘惑に勝てる政治家は非常に少ない。そもそも政治家は権力欲がある人の集団と言って過言ではない。その権力の象徴が政権である。政権は彼らにとってそれだけの魅力がある物なのである。ちなみに、私はあまり魅力を感じはしない。
もう一つは、小選挙区制である。小選挙区制は、選挙区での選出議員を一人とする選挙制度だ。これでは結局「与党」「野党」というくくりでしか選挙民がついてゆけず、中道派などの意見が選挙で反映されないという状況になる。結局二大政党制がしかれることになる。この状況では民主党を割って小生党で生き残る道は少ない。社会民主党も、国民新党も、大同小異を乗り越えて与党と野党か旗色を示さなければならない。それでなければ存在意義がうまく行かず、同時に、選挙では個人の人気に頼る以外に生き残る道はないのだ。ましてや、民主党の議員で自民党の公認をとれる人は少ない。過去、小沢が1993年に自民党をでて、細川内閣をたてたときのメンバーで、自民党に戻れる人は戻っている。鳩山邦夫現総務大臣は、民主党結党の発起人の一人だし、小池百合子元防衛大臣は一回目の当選を日本新党で果たしている。
このように考えると、民主党議員は好む好まざるに関わらず、民主党で居続けなければならないという選択肢がもっとも強くなってしまう。それどころか、主張や政策が違う社会民主党や共産党も民主党と同調するか、自民党と同調するか、あるいは独自路線を苦しくても続けるのか。その様な選択肢になってしまう。
これらを見ていると、実際の政策が小沢傀儡であるか否かは別にして、来る総選挙で、小沢一郎が選挙担当の代表代行として選挙の全権を今まで通りに持ち続けると言うことは、鳩山由紀夫新代表には、いくつかの乗り越えなければならない問題があることが明らかになる。
一つ目は、小沢傀儡という批判をいかに払拭し独自性を出すか。どのような政策を国民にアピールするのか。
二つ目は、小沢一郎が辞任した経緯の説明責任と、その節明に対する事件や疑惑の処理をどのようにつけるかということだ。
三つ目は、党内融和。または党を越えた野党連合の可否と国民への説明である。
一つ目の問題点は、鳩山由紀夫の独自性だ。小沢一郎はかなり特異な個性の持ち主だ。その個性の持ち主に常に幹事長という立場で同調してきた。政策に関しても同じで、ずっと同調を続けてきている。問題はその政策が見づらいし、政策に一貫性がないと言うことだ。特に安全保障制度や国防、外交に関して小沢を引き継ぐのかが焦点となる。安全保障に関して小沢は「ISAFへの参加」「第七艦隊以外はいらない」という発言を行っている。要するに、国連重視アメリカ軽視と言うものだ。と言うことは日米安全保障条約の取り扱いが焦点となる。日米安保に関しては安保騒動であったように日本でも賛否両論存在する。しかし、北朝鮮がミサイルをとばし、中国が軍備、ことに空軍力を強化する中において、日本画に本独自の防衛力を、現在の日本の国力及び国民感情や世論でできるかという問題である。私が取材したところ、民主党にそこまでの明確なヴィジョンは存在しない。第七艦隊発言のときやですら、民主党の党意ではないというのが精一杯であった。民主党は政党の政策として、どのように国民の安全を守るのかを、わかりやすく言わなければならない。まさかとは思うが、侵略されている最中に国連の決議などというかったるい話をするのか。北朝鮮のミサイルの非難の議長声明をとるのも1週間かかっているのだ。同時に、国連重視であるならば、国連の安全保障理事会常任委員の国から侵略された場合どうするのか。たとえば中国から侵略された場合どうするのか、民主党は答えるべきである。安全保障委員会において、拒否権を示されれば、結局決議もなにもとれないまま、日本は侵略群に蹂躙されることになる。その状況の場合「国連重視」はどこまで役に立つのか。具体的には尖挌諸島や東シナ海ガス田開発において、どのように対処するのか国民に示すべきである。その話し合いがこじれて、軍事自体になった場合、為すすべもなく日本を差し出すのか。都合のいいときだけ日米安保を取り出すのか。基本政策をきっちり示すべきだ。
鳩山代表は、この件に関して示唆めいた話をしている。小沢代表が辞任する直前に、ニコニコ動画のなかで在日外国人の参政権を巡り「日本は日本だけの領土ではない」と発言している。今時、無政府主義者もそのようなことを言わないが、国家の根本を揺るがす発言について、どのように考えているのか。しっかりとした釈明を求めたい。
政策については、安全保障だけで、これだけの問題点を持っている。政策こそ政治の本分であるのだから、しっかりとして欲しい。
第二の課題は小沢事件の総括である。
小沢一郎の政治団体である西松建設からの政治献金規制法違反事件は、まだ終結していない。小沢一郎の公設第一秘書は逮捕拘留され、3月24日に起訴されたままである。小沢西松事件に関して言えば、事件当事者である小沢一郎から説明もされていないし、鳩山代表自身が説明責任を果たしていないと認めているところである。
しかし、問題はそれにとどまらない。西松建設は5月13日に、今回の事件そのものが、政治資金規制法に違反した迂回献金であることと、小沢に献金をしていた政治団体二つがダミーであったことを認める決算報告書を発表し、その事件に直接関わりのなかった現社長以下取締役の多くが次の株主総会での辞任を発表している。また再発防止に関して、第三者委員会を発足し、元最高裁判所の判事を招いて法的な評価を加え、それを公開している。事件そのものはほめられたことではないが、実際に事件を起こした片方の当事者として、非常によい対応であると思う。今後の営業への影響や業績に関しては不明であるし、業界でのイメージもわからないが、反省の色も見えるし、好感が持てるものである。
一方の当事者である小沢一郎に関しては、政治団体として大久保被告が逮捕されたが、辞任会見でも「やましいところはない」といって責任を果たすつもりが全くない状況である。3月24日の涙の会見はあったが、実際説明もなければ問題となった献金もそのままである。報道によれば3億を越える政治資金が不正に「陸山会」に流れており、それが政治資金規制法に違反していると指摘されているのだ。それに関わらず、現在小沢一郎も陸山会も一切その政治資金を返金していない。当然に、その政治資金は「選挙担当代表代行」の職責で使用されることになる。要するに、民主党議員は次の選挙で多かれ少なかれ西松の違法献金の世話になって当選することになるのだ。マルチ事件でも同じ。山岡賢次国対委員長はマルチ企業からの献金を2008年度分のみ返金するとして、全てを返金しない中途半端な対応しかしていない。それと同じで、民主党に関しては違法なことをして記されたり、疑惑をもたれたりしても、その金額を否定しない体質がある。誤解がないように、それが民主党の議員の全てではない。しかし、これらの態度は、結局金銭的な観点から見れば、「犯罪したもん勝ち」みたいな感じで、国民の理解を得られる物ではない。
それでは、鳩山代表はどうしたらよいのか。この事件に関しても、それ以外の事件に関してもまず、政党の代表として政党の所属議員の疑惑に関してしっかりと説明をしなければならない。説明をさせるという方法でもかまわないが、大久保被告からの聴取ができなければ、その分は管理者・監督責任者が変わって説明すべきだ。
その上で、「ヤリドク」とならないように、それら不正資金に関してはしっかりと返金しなければならない。小沢一郎は政治団体が存在しないので、返金できないといういいわけをするが、それ以外の方法をしっかりと考えて金銭的にもけじめを付けなければならない。当然、鳩山代表は、代表としてそれを推進し、小沢一郎に命令して実現しなければならない。そうでなければ、民主党議員は結局不正資金で当選したということになるであろう。
なお、事件はこればかりではない。障害者優勢制度不正事件なども、しっかりと対応が望まれる。普段、議員会館に呼びつけて官僚から資料請求している議員が、「説明を気きに行きました」という説明がまかり通るとは思えない。
第三の論点として、党内融和、野党連合の融和があげられる。
小沢一郎の主催する連立政権は、それが与党であれ、野党であれ、なかなかうまく行かない。細川内閣も羽田内閣も短命で一年持たなかったどころか、羽田内閣は64日と、戦後二番目に短い就任期間であった。一番はポツダム宣言受託の為に、皇族が総理大臣になった東久爾宮内閣であることを考えれば、実質的にもっとも短いと言っても過言ではない。この羽田内閣は、小沢一郎が連立内閣を行うに当たり、当時の日本社会党をはずして統一会派を作ったことに端を発している。小沢はあまり周囲の相談すること無く、独断で物事を進める習性がある。2007年の自民民主大連立に関しても、民主党側で調整した形跡はない。当然の結果、民主党の役員会で否決され、辞任騒ぎを起こすに至った。先に挙げたISAFの件も、第七艦隊の件も民主党の政策ではない。小沢の個人的な考えである。私はこの文書の中で、以前田母神元航空幕僚長の論文についてでも書いたが、立場や肩書きで意って良いことと悪いことがある。代表という立場では、いくら個人的と言っても、国交や条約に関わる問題を言ってはいけないのではないだろうか。このような態度が、上記にあるように戦後二番目の短命内閣を作ってしまうのである。
鳩山代表といえど同じ。日本の領土のことなど、国家の根幹に関することを勝手に言っては問題が多い。彼の発言は、彼の信奉する「友愛」から生まれるもので、在日外国人参政権に関しての発言である。しかし、いくら在日外国人に配慮しようとしても、一つの政党の代表(発言時点では幹事長)が、その国の国家の根幹に関することを否定してはならない。当然に、そのような人に政権を執らせてはならないということになる。それどころか、一つの政策で、他の政策や国家の存亡にかかる発言をすると言うことは、全ての政策が一方向からしか検討されていない状況で、それを実現すれば多方面に影響がでると言うことを意味する。「一事が万事」とはよく言ったものだ。一つを否定しても、その対案がまともにできなければ何の意味もない。民主党の弱点とされる財源問題も全く同じ構造である。
では、その状態でどのように、党内外での融和をはかるのであろうか。
本来政党は政党毎に綱領があり、その綱領に応じて政策ができている。政策が一致していれば、上記小沢や鳩山のような「個人的な意見」がでるはずはないのだ。それがこのように出てくるということは、逆に政党としてなにも決まっていないということを意味している。現に、民主党には綱領がない。何でもその場しのぎのいいわけと付け焼き刃政策と言われても、綱領という基本姿勢がないと言う時点で否定ができない。
綱領がないと言うことは、基本がしっかりしていないということ。逆に言えば、誰の話にも会わせることができるというメリットもあるが、政治家としては致命的な、信念がないというデメリットにつながる。信念がないということは、それ一つだけで、十分に政治家としての資質が問題視される。民主党関係者に聞けば、政権交代が基本だと言うが、ここでも何でも言っているし、奇しくも麻生首相も同じことを言っているが、「政権交代は政策実行のための手段であって目的ではない」ということだ。なにをしたいから、どのような日本にしたいから、政権が必要というのが普通であるが、民主党は完全に本末転倒である。
さて、本末転倒ではあるが、そのことが党内融和や野党連合には一役買っている。要するに、反自民、判事抗せ意見というのが旗印だ。しかしそれは、政権を執ってから崩壊すると言うことを意味しているのだ。なぜならば政策で同意していなければ、「日本丸」は「先導多くして船山に登る」の例。結局国民にその政治的な空白でつけが回ることになる。一方で、政策で強行すれば、羽田内閣と同じになる。
結局、鳩山代表は、政策で一致を見なければならない。そうでなければ真の融和は成り立たないのだ。しかし、そのためには、小沢一郎・岡田克也といった政策通を自負しt下いる人や、その集団と社民党、国民新党、場合によっては日本共産党と政策の一致を見なければならない。
現在民主党は臭い物には蓋で、問題点を見て見ぬ振りをしているにすぎない。しかし、それでは政府批判はできても政権運営はできない。真の融和を目指して、政策の一致を見ることができるか。これは、小沢一人に言うことを聞かせるのではなく、多くの政策の一致を具体的な部分を見なければならない。かなり難しい状況になる。
いずれにせよ、鳩山代表には大きな問題点となる。しかしこの問題点をクリアしなければ、仮に選挙に勝てたとしても、国民に不信を与えて終わってしまう。それこそ、小沢の傀儡である。自民党への復習を小沢の名前でなくした、その自己満足のために政権をもてあそんではななら無い。そうならないように、かなり難しい問題点を解決する指導力を発揮しなければならない。
それらを示す27日の党首討論で明らかになるのではないか。注目である。
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