新型インフルエンザ猛威をふるう
新型インフルエンザ猛威をふるう
「招かざる客」いよいよ日本にも上陸
3月に、メキシコで発生した豚インフルエンザが、新型インフルエンザとして瞬く間に、世界中に広まった。5月現在で世界で一万人以上の感染者が出ており、インフルエンザの犠牲になった人も百人に届く勢いである。WHO世界保健機構は、当初「フェーズ3」といって地域的流行となっていたが、瞬く間に「フェーズ5」となる。「フェーズ5」とは世界各地において人から人に感染が広がっている世界的大流行を指す。この次の段階は、俗に「フェーズ6」ようするに「パンデミック」といわれる状況になる。5月12日から始まる世界保健機構での総会では、、危険レベルをこの「フェーズ6」に引き上げるかということを議論された。
この状況において、5月の連休前から、日本では「水際対策」として、成田空港や関西空港などの、国際空港でアメリカ・メキシコ・カナダからの街頭きでの機内検疫を徹底するという「水際対策」を徹底した。これはあくまでも「発症している患者の国内流入を防ぐ」というもので会って、発症前(潜伏期間)のウイルスまで予防できるものではない。しかし、それでも国内の体制が整うまでの当分の期間、時間稼ぎを行うことができた。この水際対策により、5月8日にカナダに短期留学をしていた大阪の高校生4名と教員1名が初めて感染が確認された。成田赤十字病院には毎日マスコミが押しかけて、その回復状況などを確認したと同時に、同じ機内に乗っていた「濃厚感染のある疑いの乗客」は7日間成田空港のホテルで隔離され、その経過を見られた。
この間に、国内では、海外渡航経験があり、発熱、せきなどの症状がある場合は、病院に行くのではなく、保健所などでの「発熱相談」に電話をしたのちに「発熱外専門来」の設置のある病院への通院また入院が指示された。国内における体制はこの「水際対策」によって、うまく回るようになっていた。
そのような中、5月13日に、海外渡航経験のない兵庫の高校生から、新型インフルエンザのウイルスが検出された。その後、瞬く間に関西地区をウイルスが席巻し、5月20日の談内で日本での感染者が200名を超え、東京でも感染者が出てくる状況になってきた。
兵庫、大阪では、政府の策定した「鳥インフルエンザ対策」にしたがって、学校の7日間の休校、外出の自粛要請、マスクなどの着用などが要請されている。これにより、大阪での経済は停滞を起こし、また、京セラドーム(旧大阪ドーム)などで予定されていたエイベックスとラックスのアーティストのコンサートは中止されるにいたった。また、阪神甲子園球場名物のジェット風船も「唾液の飛散を防ぐため」という理由で中止が要請された。
しかし、この新型インフルエンザが、弱毒性ということもあり、国の定めたタイs買うにたいして「やりすぎである」という批判を行うようになる。大阪の橋下知事は、桝添厚生労働大臣にたいして、対策の柔軟な対応などを要請するにいたっている。
さて、ここまでは、インフルエンザの発生から今日までの経過と対応である。
新型インフルエンザに関しては、政局の問題とは一切関係がない。少なくともこのインフルエンザウィルスを「疫学的テロ」などという不思議な批判をする人もいないであろう。また、弱毒性で致死率が0.4%であるということも、わかってきている。しかし、これらの感染に関して、政府は二つの価値観に挟まれながら、その内容を考えていかなければならないのである。桝添厚生労働大臣は、「まず情報の把握、それから対策」ということを記者会見などですべて対応で話を行い、風評被害や情報の齟齬を少なくする効果は非常に大きかったと考えられる。個人的な思惑を安易に語らないこれらの姿勢は、国民にたいして信頼感を与えうるものと考えられる。
これら、政府は、二つの価値観に挟まれる。
一つの価値観は、「感染防止」「国民の健康を守る」というものである。「感染防止」といえば、現段階で違和感を感じるかもしれないが、実際に、これ以上の感染拡大を防ぐということは非常に重要である。同時に、現在感染している人々の重篤を防ぐということも重要であろう。これらの内容は当然に、国民の生命と安全を守るという意味で非常に重要である。
一方で、経済活動やそのほかの通常生活者の負担を最小限に済ませるということが必要である。今回の措置でわかったことは、学校の休校というよりは託児施設などの閉鎖、休園などによって、夫婦共働き世帯などは経済活動がうまくいかなくなるということがあげられる。
インフルエンザなどの感染拡大を避ける方法の最も良いものは、「隔離政策」である。数年前、中国で新型感染症SRASが発生したとき、中国政府は、感染者だけでなく、感染の疑いのある人、そして、診察に当たった看護師や医師まですべてを隔離した。要するに、一か所に集めて、その建物のある敷地ごとすべてを閉鎖隔離したのである。人民の人権を認めない、というよりは、じんみん個人の権利よりも社会の正常を重要視する社会主義国家中国ならでは、という感じである。しかし、この隔離政策のおかげで、中国は感染者が北京にいたにかかわらず、北京市内は通常の市民活動をしていた。
日本では、そのような隔離政策は不可能である。このことから、当然に、「感染拡大」と「通常生活」の調整という要素が入ってくる。
国民生活の安全ということを全く考えずに、厚生労働省にかみついたのが横浜の中田市長である。この異常事態に対して「桝添大臣に振り回された」「まず大臣が冷静になったほうがよい」という。
まず、本件に関して言えば、横浜市長の考え方は異常である。実際に、新型インフルエンザの感染力やその脅威なども不明な状況であるにかかわらず、その感染に関し何も考えないで、国内の大臣を批判しているのは異常である。実際に感染が確認されていないから言えるものであり、逆に感染していたのであれば、もっと大きな話になっていたのであろう。また、致死率などもたかければ、国中がパニックになる。その内容に関して、早くに危険情報を流しておいたほうがよい。危険情報で一部が混乱し、その後に、何ともなかったとするほうが、国民の動揺も少なくなる。為政者、地方自治体としても、その為政者の一部が動揺をしたとしても、それ以上の横浜市民がパニックをおこさなかったこと考えるべきである。
厚生労働省は、今回の新型インフルエンザに関して、基本的な指針を示しながら、地方自治体に判断をゆだねている。地方自治体は、それを、国の指針に合わせた行動をとったのである。
現在関西地区、一部で関東でも発症者が出たとしてが、いずれにせよ、日本全体に発症者が蔓延しているわけではない。要するに、二本という国の政府が何を決めてお、たとえば、関西の兵庫県と北海道や沖縄とが同じ基準でものを動くことは、ありえない。神戸で7日間の休校、学校閉鎖をしているとしても、沖縄や札幌で学校閉鎖をする必要はない。
結局、「感染拡大の防止」と「生活者の保護」という二つの釣り合いをとることは、地方自治体の個別の事情によって判断せざるを得ないという結論になる。日本の中央政府の指針に従って、各地方自治体が判断しなければならない。感染は、全国一律に起こるわけではないので、地方自治体によって、その判断は異なるし、感染の時期に関しても変わってくるものである。
要するに、今回のインフルエンザを機会に「地方自治体は、自分の自治体の構成員を独自の判断で守ることができるのか」ということになるのである。
国家に関しては、当然に世界保健機構など外交上の交渉に関する内容を公開し、国際的な情報、世界的な治療や感染の方法、ウイルスやワクチンの情報を出すことと、国としての指針を出すことが必要である。一方で、地方自治体は、それら指針や政府の情報をもとに、独自に判断し地域の生活と感染拡大防止に努めなければならない。
兵庫県は、感染者の拡大と感染を疑う人の多さ、そして、医療機関のパニックとウイルスの致死率の低さから、通常の医療機関でも新型インフルエンザの診療を行うようにした。自治体独自の判断ができた例だ。
一方、先にあげた横浜の中田市長は、独自の判断ができないで国に振り回された例。そればかりか、その部分を大臣や、厚生労働省の批判として責任転嫁しているにすぎない。二つの例を期せずして見ることができたわけだ。実際、関東での感染者が出た今日、横浜の中田市長はどのように考えているのであろうか。国がどうにかしてくれると、考えて責任転嫁しているのであろうか。
地方自治体に関しては、結局今回の新型インフルエンザによって、期せずして踏み絵を踏まされることになる。
橋下知事の行動も、一部では政府に直談判をしたと言われているが、逆な見方をすれば、兵庫の井戸知事と違い、独自の判断で物事を決めることができなかったという評価もありうるのである。それで良かったのであろうか。地方自治体は、地方分権で独自に行うというのであれば、当然に、独自に自分で方法を策定しなければならない。そして、最も重要なことは、その決断にたいして、責任をとるということであろう。責任を転嫁したり、はじめから逃げ道を作るようでは、地方分権を言う資格はない。橋下知事に関して言えば、そのような逃げ道や責任転嫁のための直談判でなかったということを明言してもらいたいものだ。そうでなければ、地方分権を偉そうに語ったり、「霞が関」を批判するのはやめるべきだ。いざという時に、対等の立場で力をかり、大阪府民の生活の安全と感染拡大防止を自分の判断でできないのであれば、意味がない。その「いざという時」が「今」であることは間違いがないのである。
インフルエンザの話から、地方自治体と地方分権の話になった。地方自治体は、今こそ国に頼らずに地方自治体の生活の安全を自分の手で守ることができるということを示さなければならないであろう。
この新型インフルエンザを政局に使う向きもある。民主党は、このインフルエンザで解散総選挙が長引いたなどといって政府を批判する。お門違いもよいところだ。そもそも民主党のいう生活者第一というのは、このようなときにどのようなことをいうのであろうか。政策論で戦ったゆくのであれば、橋下知事の今回のような調整依頼にたいして、「感染拡大防止」と「生活者の経済活動」についてどのような調整をするのであろうか。まさか、感染拡大防止をしながら経済損失を「すべて」補助金で賄うというのであろうか。すべてでないならば、その基準やその財源はどのようにするのであろうか。しっかりとした政策を示すべきではないだろうか。感染が拡大すれば生活者も何もなくなる。一方で、感染していないのに自粛要請や隔離を乱発すれば、すぐに経済は停滞する。この状況を民主党はどのように打破する政策を示すのであろうか。具体的に財源も示しながら、行うべきであろう。政局よりも政策ということをいうのであれば、それがいま最も重要なことである。もちろん、私は個人的に「政策なき政局論の民主党」としか考えていないのであまり期待はしていない。鳩山信代表の「友愛社会」で解決できる問題でないことは明らかである。
今回のインフルエンザは、今のところ弱毒性で、致死率も低いとされている。しかし、後遺症などのことは、全くまだ分かっていない状況である。その状況で、経済重視とすることは、非常に危険ではないだろうか。もう少しインフルエンザウイルスの全容がつかめてから、しっかりとした経済対策を立てるべきである。
実際に東南アジアなど、強毒性の鳥インフルエンザの地域にも今回のインフルエンザが蔓延している。強毒性で、今回のインフルエンザのような感染力の強いインフルエンザが来ないとも限らない。その時に「悪しき前例」を残さないようにしなければならないであろう。
経済も重要であるが、それこそ地域経済同士、地方自治体同士での助け合いを考えるべき。まずは感染拡大防止をするべきではないだろうか。人が健康で、押して生きているからこその生活社製s買うであり経済であることを忘れてはならない。難しい調整を政府が迫られているということだけは、国民が理解をし、一人一人のエゴを抑えるように心掛けたい。
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コメント
>この状況を民主党はどのように打破する政策を示すのであろうか。具体的に財源も示しながら、行うべきであろう。
同感です。実際財源はあっさりと捻出できるのです。よろしければ私のブログを読んでください。
投稿: ハヤノスケ | 2009年5月23日 (土) 12時02分