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「維新八策」最終版における「亡国の思想」

「維新八策」最終版における「亡国の思想」

 大阪維新の会が8月31日に「維新八策」最終版を発表し、9月9日に開く政策の公開討論会で議論を深めるとされている。
 本来ならば国会新聞社としては民主党代表選挙と自民党の総裁選を取材しなければならないのであるが、両院記者会に集まった所詮パイの皆様も「不透明」としか言いようがないといった感じではあった。実際に、9月8日まで国会は事実上の休会ではあるものの、実際は開会期間である。基本的に国会内に現在は議員はほとんどいないといえる。東京にいる議員も代表選挙や総裁選に借り出されてしまい、基本的に国会にはいないという状態になっている。もちろん審議日程も何も入っていない。国会内は静かなものである。
 実際に代表選挙や総裁選に関しては、現在公然と水面下で(変な日本語であるが)多数派工作が行われているのであるが、実際にこれらに関しては、もっと近くならないとわからない状態である。少なくとも国会閉会後にこれらの取材を本格化すべきであると考えている。
 マスコミの間でも、国会開会中であるということを考えると、あまり公然と代表選挙や総裁選のことを取材するのははばかれるという雰囲気がある。そうするとどうしても政策や、社会面、そして第三極の取材になってしまう。
 そのような中での橋下維新の会の最終案を発表があった。当然に、取材はその話題になる。当然にこの内容は政局面と政策面の二つの面で注目集める。政局面で言えば、当然に、「誰が離党し、誰が維新の会に入るのか」ということである。このようなことは大手の新聞が一生懸命やっている話しだ。松野頼久、松浪健太、石関貴史という議員の名前が取りざたされており、またみんなの党の分裂など政局面の話題は尽きない。実際に政策も発表されていないうちに維新の会に入るという態度そのものは、国民から「政策のため、国のために政治を行うのではない」ということで、選挙目当ての入党ということになり、当然に、非難されるべきであり、そのような議員を受け入れるとすれば維新の会そのものも、選挙目当ての功利主義政党として悪名を残すことになる。そのために政策討論会という「儀式」を行うのであろうが、国民はそれを許せるものではない。もちろんそのような「橋下人気目当て」の議員は、国政には似合わない人々であろう。
 そのような政局は別にして、大阪維新の会が目指す「将来の日本」はどのようなものかというのは非常に興味がある。これは政局とは別に、多くの批判を浴び、よいものにするように心がけてもらいたいものである。

橋下新党、民主の二の舞か!大胆な政策は実現ハードル高く

 橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」は8月31日にまとめた「維新八策」最終版を次期衆院選のマニフェスト(政権公約)の基とし、9月9日に開く政策の公開討論会で議論を深める。衆院定数半減、参院廃止など大胆な内容も多く、「大阪から変える」(幹事長の松井一郎大阪府知事)と意気込む。ただ、民主党の平成21年マニフェストの二の舞いになるとの冷ややかな見方も少なくない。(酒井充)

■大胆な統治機構改革
 維新八策は8分野で構成され、具体策を並べた「基本方針」は約140項目にのぼる。橋下氏が「国論を二分するような政策をあえて詰め込んでいる」と語るように、過激な提言も目立つ。
 橋下氏は国政進出の理由に「大阪都」構想の実現を挙げた。今国会で都構想を後押しする法律が成立したものの、「大阪都」の名称が使えないなどと不満を表明したのだ。維新は、都構想を道州制実現の布石としている。その一里塚は地方交付税制度の廃止と消費税の地方税化だ。総務省が自治体の財源不足を補う目的で配分する仕組みから、自治体同士での配分決定を目指すとしている。
 このほか、統治機構改革として掲げた首相公選制は、平成13年に自民党総裁に選ばれた小泉純一郎元首相が主張した。小泉氏の私的諮問機関で、大統領型など3案がまとまったが、その後立ち消えとなった。
 衆院定数(現行480)を半減にするなど国会議員の大幅削減も目指し、橋下氏は小選挙区150、比例代表90という案も披露した。ただ、民主党も21年マニフェストで比例代表定数80削減を打ち出したが、実現していない。滋賀県の嘉田由紀子知事は4日の記者会見で、定数半減などについて「自分の立場なら見通しの立たないマニフェストは出せない」と批判した。

■曖昧さ残る憲法や外交
 憲法については、手始めとして、改正の発議に必要な「衆参両院で3分の2の賛成」を「2分の1」にする96条の改正を挙げた。自民党総裁選に出馬意向の安倍晋三元首相や民主党の有力者らも参加する超党派議員連盟の所属議員らすでに200人超が賛同している。維新が躍進すれば、実現に大きく近づく。
 一方で、9条改正の是非を国民投票で決めるとしたことは、政党の背骨を問われかねない。
 外交関係では「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加」と明記した。国会議員にとってはハードルの高い「踏み絵」となりそうだ。外交・防衛全般を見渡すと、「日米同盟を基軸」としながらも「日本全体で沖縄負担の軽減を図る」などの曖昧さが目立つ。竹島や尖閣諸島をめぐる問題が待ったなしの中、不安は拭えない。
 松井氏は「今の民主党のようにならないようにやっていく」と述べ、マニフェスト違反が相次いだ民主党を他山の石とする考えを強調した。維新への期待は高まっているが、有権者に判断材料を与えるためにも、公約の実現可能性を示すことが求められる。

2012.09.05夕刊フジ
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120905/plt1209050618000-n1.htm

 政策には思想がある。思想にはイデオロギーがあり、その基本思想に左右されて国情が変わる。
 では維新の会の思想とはどのようなものか。
 そもそも議院内閣制とは、本来、国民→議会→内閣というような間接民主主義の形式と同時に、天皇陛下による任命ということで、国家元首(日本の場合は象徴)からの認証という二つの権力の源による認証を必要とする場合の政治手法である。逆に、大統領制(首相公選制)とは、当然に国家元首そのものの存在を否定するものである。同時に、大統領制の場合は議会と大統領の選挙をずらし、意識的に議会が行政権力をけん制するという形によりチェック機能を有するのに対し、日本のような議院内閣制の場合は、二院制とし、二つの議会(日本の場合は衆議院と参議院)が互いにけん制し、その中の審議を通じてチェック機能をはかることになるのだ。当然に、日本の場合、行政の予算の決定をわざわざ憲法の規定として国会に権能を持たせた。このことによって、行政のけん制を行っているのである。
 本来は、議院内閣制、間接民主主義というのはこのような根本的な思想背景があり、天皇制の下において最も適した行政体系を作ったものである。もちろん、その具体的な内容に関しては適合しない部分などもあるが、実際には、政局だけの政治をするような馬鹿がいない限り、しっかりとした議論を国会で行うことによって、国内における行政はしっかりと中立性を保つ政治が行われるという「思想」があるはずだ。
 一方維新の会は「首相公選」「一院制」「地方条例の上書権」「地方財政の独立性」ということで、基本的には道州制を機軸とした「合衆国制度」に近い基本姿勢を持っている。当然に天皇制を否定する内容になっており、とてもとても保守系の政治姿勢でも、基本思想でもなければ、イデオロギーを持っていない。
 日本の中において、これらの議論が起きないのは、まさに自民党の議員をはじめとし、これらの基本思想を理解している人がいない、それこそ橋下市長の会見のとおりに盆踊りと葬式ばかりに行っていることから、政治の基本やその基本思想を全く考えていないし勉強をしていないことに由来する政治家の質の劣化(下劣化)に由来するものではないのか。同時に、この政策に擦り寄るとすれば、当然に「地方分権」となり、「立法(条例)権」「財政権」が独立することになるのであるから、当然に日本国が解体されるということを意味するのである。まさに「大阪栄えて、国滅ぶ」という亡国の政策をいきなり掲げてきたということになり、民主党以上の国家解体政策の内容を出してきたということに他ならない。
 最悪なのは橋下市長そのものが法律家であるということ。ポピュリズムではなく、当然にこの内容は法律家として憲法を学べば大学一年で意でもわかるものであり、弁護士という元職を考えれば、常識の範囲である。要するに「国家解体の政策」を「法律家として意識して作って発表」し「一時的ポピュリズム人気」でそれを押し切ろうとしているのである。同時に、議会と首相の関係なども含めれば、チェック機能のない独裁を考えているようで、まさにナチスドイツにおける「ファシズム的独裁」を政策として出しているのである。まさに国家の意思を大阪市長が勝手に決める独裁者を生み出す政策である。
 当然に、独裁であれば「意思決定が早くなる」という利点があるが、「少数意見が切り捨てられる」と同時に「その独裁者の価値観によって伝統や文化が破壊される」ということになり、毛沢東による文化大革命のような内容が明らかにされるのではないか。
 この政策に関しては、「後日」やまと新聞の論説のコーナーで連載で個別の項目を解説するつもりである。ここに書いたように、かなり専門的なことを書くつもりです。
 一時的な内容で物事を決めると、そしてマスコミが亡国の政策を推進しているということはまさにこのようなことでよくわかる。何でも新しければよい、派手ならばよい、そしてテレビ画面に映えればよい、というものではない。根本的に国家のことを考え、この政策による将来を真剣にシュミレーションして政治家をえらっぶべきではないのか。

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コメント

「国民意識教育」が急務。
新潟県民も愚民だな。
田中角栄の亡霊を立ち切れ!

           by 亀井選挙区
 
県山岳協会のメンバーが今月中旬、
中国の青海省登山協会との兄弟協定締結20周年を記念し、
同省にある無名の未踏峰の登山に挑む。

同省の協会から「成功すれば、山に名前を付けてもいい」と
紹介されたのがきっかけ。

日中国交正常化40周年のことし、
沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の問題で両国の関係が冷え込んでいるが、
登山メンバーは「こういう時期だからこそ、日中交流を深めたい」と話している。

青海省は中国内陸部に位置し、
本県の協会と同省の協会は関係者からの紹介で1992年に兄弟協定を締結。
これまで本県から訪中し、一緒に中国の山を登山するなどして交流してきた。

中国への出発を前に開いた壮行会に集まったメンバー=新潟市中央区
 
県山岳協会が登頂を目指す未踏峰(右奥の頂上)=中国青海省.. 

新潟日報 
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/pref/39705.html

投稿: allco | 2012年9月 6日 (木) 22時01分

今の日本は財政難にもかかわらず、税金の無駄遣いが止まりません。その根本的な問題は政官財プラス大手マスコミの癒着構造にあります。とりわけ実質的に官僚が政治を行っていることと族議員が存在している事に問題があります。

無駄を減らし、税金を効果的に使い経済活性化させるには、地方分権や議員数の削減や一院制が有効だと考えるのは妥当だと思います。そのために必要なら改憲すれば良いでしょう。現実的に二院制のチェック機能など殆ど機能していません。

それをイデオロギーがないとか、独裁者を生み出すなどの理由で否定する考えは理解に苦しみます。
今の日本はすでに官僚の独裁政治ではありませんか。しかも税金を湯水のごとく無駄遣いしているように見えます。天下りや無駄な公益法人などいくらでもあるでしょう。それが国民から選ばれた者が行っているなら任期まで我慢しますが、私たちは官僚を選べませんし解任もできません。

投稿: 田中信明 | 2012年9月11日 (火) 20時02分

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