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マドンナ議員やチルドレンを生む「ポピュリズム政治」と衆愚

マドンナ議員やチルドレンを生む「ポピュリズム政治」と衆愚

 軽い話題だが重たい話題をひとつ。
 27日の新聞記事に、下記に掲載した記事がインターネットで出てきた。今までこのことはよく言われていたのであるが、このようにしっかりとした新聞で取り上げたのはなかなか少ない。特に「マドンナ議員」まで遡るとなると、なかなか今の若い記者では難しいのではないか。
 中曽根首相のころ消費税創設に反対し、当時の日本社会党土井たか子委員長が大量の女性議員を排出し、女性議員の台頭から「マドンナ議員」という言い方になった。もちろん、今考えれば「マドンナ?」と言うような感じの人も少なくない。非常に主観的で申し訳ないが、やはり容姿で言えば、現在の女性議員、特にタレント出身候補のほうがずっと「マドンナ」という感覚になる。しかし、当時はまだ政治家といえば男性のほうが断然多かった時代。社会党と言えども、女性議員の大量排出は、さすがにセンセーショナルな出来事として記憶されたのである。これを名づけて「マドンナ旋風」といい、平成元年の参議院選挙で、日本社会党の大躍進の原動力となった。
 このときの標語が「ダメなものはダメ」「やるっきゃない」などの標語で自民党の政策と消費税を批判し、「台所から国政へ」などとして政治を行ったのである。まさに、現在の民主党の言っていた「標語中心の劇場型選挙」の走りであり、「国民目線」という現代低名言い方がぴったりとくる選挙であった。その結果、参議院では土井たか子委員長が首班指名され、衆参両院会議によって衆議院の優先と決まったのである。
 しかし、政治は素人ができるものではない。そのことの弊害は、単純にその成功体験が逆に重くのしかかることになる。まずまともに政治も勉強したこともなければ、選挙も風で当選した以外に何もできていない。参議院だったので6年間その効果はあったが、次の選挙でマドンナ議員のほとんどは惨敗するのである。
 それどころか、そのときの成功体験から、一時は93年の細川政権樹立にたどり着くが、風で政治をするクセを覚えてしまったために、政権与党としての自覚と仕事ができなかった。そのことは、すぐに、日本社会党の解体(実際は社会民主党への組織変更であるが、実質的に衰退の一途をたどった)という末路をたどり、日本社会党自体がなくなってしまう問うことになったのである。
 そのことに関する産経新聞の記事は非常に興味深いものである。

生まれては消え…「マドンナ議員」と呼ばれた女性たち

 「小泉チルドレン」「小沢ガールズ」の源流に「マドンナ議員」と呼ばれた女性議員たちがいた。
 平成元年の参院選で初当選し、1期で終わった乾(いぬい)晴美さん(78)もその一人。徳島県の小中高校で教師を務め、政治とは全く無縁の2児の母だった。
 「台所の声を国政に」。当時の社会党の土井たか子委員長(83)から口説かれ、主婦の代表として出馬した。この年はリクルート事件で竹下登内閣が総辞職し、消費税導入に反発が強まっていた。その波に乗って乾さんらが当選を果たし、過去最多となる22人の女性議員が生まれた。
 「けれども、台所感覚だけでは政治はできなかった。勉強不足を痛感した」
 国会では困惑ばかりだった。税金問題の会合で直接税と間接税の比率を尋ね、失笑を買った。育児休業法を議員立法で作ろうとしたときは最終的に政府提出法案となり、政治力の限界を感じたという。
 現在の政治状況について、乾さんは「混沌(こんとん)としているとしか言いようがない。これでは有権者の多くもしらけてしまい、どの政党へ政治を託していいか分からなくなっているのではないか」と語る。
 そんな彼女たちを「赤じゅうたん」へ押し上げたのも、特定の支持政党を持たない「無党派層」だった。「山が動いた」。党を躍進させた土井氏の言葉は、無党派層が与党から野党に振れたことを印象づけた。
 ◆縛られない有権者
 無党派層の研究で知られる桜美林大の橋本晃和(あきかず)客員教授(71)=民意政治学=の計量分析によると、昭和40年代半ばまでは有権者の大半が支持政党を持っていた。高度経済成長で都市に人口が流入し、地縁・血縁に縛られない有権者が増えてきた40年代後半、都市部を中心に無党派層が台頭し始めた。
 平成元年の参院選以降、民意は当時の政権党である自民党支持層と、ときには非政権党へも投票する無党派層に二分された。
 橋本教授は「昭和40年代以降、いつの世にも無党派層は存在した。彼らが時の政治に抱く不信や不満を吸収した先が、マドンナであり、チルドレンだった」と指摘した上で、「そうした不満は増税や年金、雇用対策などその時々で異なる」と分析する。
 ◆時代動かす宝の山
 「山が動いた」場面はその後も続く。平成5年の衆院選で昭和30年以来初めて自民党が下野し、日本新党代表だった細川護煕(もりひろ)氏(74)を首相とする政権が生まれたときもそうだ。
 効果的だったのが1つの言葉で二者択一を迫る「ワンフレーズポリティクス」だった。国民の生活が第一の小沢一郎代表(70)は、リクルート事件に端を発する政治・選挙制度改革で自民党を「守旧派」と呼び、自らを「改革派」と称して非自民連立の細川政権誕生の立役者となった。平成17年の郵政選挙で圧勝した小泉純一郎元首相(70)も「改革なくして成長なし」「聖域なき構造改革」を標榜(ひょうぼう)した。
 この流れは前回の「政権交代」を経て、今回の衆院選でも続いている。野田佳彦首相(55)は衆院解散時の会見で「古い政治に戻るのか、前に進むのか」と7回連呼した。日本維新の会を率いる橋下徹大阪市長(43)は「日本国を変える」と叫び始めた。
 政治家の言葉で振り子のように揺さぶられる民意の波間に、マドンナやチルドレンも生まれては消える。
 「無党派層は宝の山だ」
 小泉氏は郵政選挙で圧勝した後、小泉チルドレン83人を前にこう訓示した。有権者はこの言葉をどう受け止めるべきなのか。
 【用語解説】無党派層の動向
 産経新聞社とFNNの合同世論調査によると、平成7年以降、無党派層を示す「支持政党なし」の割合が最も低かったのは21年9月の鳩山由紀夫内閣発足直後で21%。最高は今年7月の消費税増税法案の衆院通過直後で55%。政治への期待が膨らむと政党支持が増えて無党派層が減り、逆に政治不信が極まると政党離れが起きて無党派層が増える「振り子現象」がみられる。

産経新聞 2012年11月27日10時55分
http://news.livedoor.com/article/detail/7178221/

 支持政党なし、無党派層という人々が過半数に達してからどれくらい立つのであろうか。そもそもこれらをスラベル世論調査なるものがいつから始まったのか甘利私自身不勉強でよくわかっていない。
 しかし、そもそも「無党派層」と言う人々が過半数を超えるという現象は、そのまま、政治と自分たちの生活が関係ないということを意味しているのである。そしてその感覚そのものが本来は間違いであることは、この記事にあるような「振り子現象」というような内容で大体把握できるのではないか。要するに「無党派層」のほとんどの内容は「批判票の受け皿」でしかなく、しっかりとした固定票としての支持は存在しない。それはイメージ先行型の不安定な「風」でしかない。しかし、政治にしっかりとした意見がなくても、政治そのものに興味がなくても、それらの人も一票を持っているのが民主主義の現実である。
 この「マドンナ旋風」のように、まったく政治がわかっていなくても、マスコミ報道と標語と、そして批判票の受け皿というだけで、国会議員となった人は少なくないのである。それは何も日本社会党を批判しているのではなく、その後の小泉郵政選挙の「小泉チルドレン」も、また民主党政権交代選挙の「小沢ガールズ」も、そして今度の選挙では橋下徹引き入る日本維新の会の「橋本ベイビーズ」(今まで意味がわからなかったが、ベイビーズとは、チルドレンよりも未熟と言う意味もあるが、同時に、その親である橋下大阪市長も、政治家として国会を経験していないので、より一層未熟で何もできないという意味があると、ある記者から教えてもらった)もその仲間入りするのではないかと思われる。
 今回は民主党にとっては逆風で、自民党にとっては追い風なのかもしれない。しかし、しょせん風で通った議員は、風でしか当選できない。「民主主義の政治家」ではなく「衆愚政治の政治家」でしかない。まさに芸能界でいえば「一発屋」といういみで、彼らは「政界一発屋」といえるのではないか。
 上記記事で「けれども、台所感覚だけでは政治はできなかった。勉強不足を痛感した」という元マドンナ議員の言葉を見て、そのような悩みを持っている民主党議員が少なくなかった。しかし、「後悔先に立たず」で、自分を持ち上げたマスコミを恨んでもしょうがないというようなことをいっている姿を良く見る。最後の決断として今立候補する多くの志士は、このような「旋風」や「風」を頼ることなく、しっかりとした政治を行うことができるのか、ファンタジーではなく、リアルな、実現可能な政治を行うことができるのか。もう一度立候補届出前に考えるべきである、と私はお勧めする。

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