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総選挙「無効」判決の現実性と非現実性、違憲状態で解散した野田政権に戻すということを司法決定した広島高等裁判所の判決

総選挙「無効」判決の現実性と非現実性、違憲状態で解散した野田政権に戻すということを司法決定した広島高等裁判所の判決

 3月24日、一票の格差という意味では戦後初の「無効」判決が出た。
 法律用語で「無効」という単語を出した場合は、法律用語辞典によると
「 効力が生じないこと。民法は、法律行為・意思表示の取消権者を列挙しているが(一二〇条)、無効を主張し得る者を規定していない。そのわけは、ある法律行為が公序良俗・強行規定に反する場合には、裁判所は、訴訟当事者の主張をまつまでもなく、無効(法的保護の拒否)を宣言すべきだし、また、意思欠缺の法律行為なり意思表示は、名ばかりで、実質的には不成立・不存在に等しく、そうであればだれでも主張できるはずだと考えたからである。このため、長いこと無効は取消しと違
い、だれでも主張できると説かれてきたが、この説明は、後者に関する限り妥当せず、無効の取消化が進行している(意思の欠缺の項参照)。」
 となっている。この件に関しては記事の下にまた改めて書くことにしよう。
 この件に関しては、私自身はそもそも論として「いわゆる「一票の格差」を作り出した日本の経済構造と核家族化」(http://udaxyz.cocolog-nifty.com/udaxyz/2013/03/post-d58d.html)として3月8日に記載している。一票の格差を作り出したのは、そもそも核家族化と経済構造、そしてとしかと過疎化のギャップである。法律はそのような社会現象に関してまで規制をすることができないが、その内容までしっかりとした感覚がないと話にはならないのである。もちろん社会現象を規制するのは「司法」の役目ではない。しかし、その司法が現象だけを捉えて違憲か合憲かをジャッジするだけで、日本という国を浴するか否かということに関して何も変わらないのは事実である。
 実際に、都市化しておりその都市化の中に均分的平等で人頭割で一票を与えていた場合、都市部の違憲によって国が動くことになり農村部や過疎地は日本国の星治から見捨てられてしまうことになるのである。食料自給率などの問題はその数字にアヤがある無いということに関して言及するつもりは無いが、日本の一次産業の産業構造そのものに関して、一切その内容の感覚がなく、単に定数を変えることだけで話をするのはいかがなものかということを考えてしまうのである。
 昨年の参議院選挙違憲判決の中には、「抜本的な改革」を求める最高裁意見があったが、実際にそのようなことが必要なのかもしれない。
 

衆院選「無効」、1票格差で初の判断…広島高裁

 「1票の格差」が最大2・43倍だった昨年12月の衆院選について、弁護士グループが広島1区、2区の選挙無効(やり直し)を求めた訴訟で、広島高裁(筏津(いかだつ)順子裁判長)は25日、両区の選挙を「違憲、無効」とする判決を言い渡した。
ただ、無効判決の効力は、衆院選挙制度改革関連法の施行1年となる今年11月27日に生じるとした。国政選挙を無効とする司法判断は戦後初めて。被告の広島県選管は上告する見通し。
 過去の同種訴訟では、選挙を「違憲」としても、公益に与える影響を考慮して原告の請求を棄却できるとした「事情判決」によって、無効を回避してきた。しかし、この日の判決は「1票の格差は広がっており、最高裁の違憲審査権が軽視されている」として、事情判決は相当ではないとした。

2013年3月25日(月)21時57分配信 読売新聞
http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/yomiuri-20130325-00932/1.htm

画期的か非現実的か…1票格差、選挙無効に衝撃

 「もはや憲法上、許されるべきではない」。衆院選の「1票の格差」を巡り、選挙の無効を言い渡した25日の広島高裁判決。
 「出るはずがない」と言われてきた初めての無効判決に、格差是正を求め続けてきた原告側は「画期的」と歓迎したが、地元の政党関係者は「非現実的だ」と反発、各方面に衝撃が広がっている。
 ◆原告団 
 「選挙を無効とする」。筏津(いかだつ)順子裁判長が主文を読み上げた瞬間、法廷内は静まり返り、被告代理人ばかりか、原告の弁護士までが驚いた表情を浮かべた。
 「ここまで踏み込むとは思っていなかったので、『選挙無効』用のコメントは用意していなかった」
 閉廷後、広島市内で記者会見した原告団の金尾哲也弁護士は満面の笑みを浮かべながら、「うれしい誤算」についてこう明かした。裁判所前で掲げる「勝訴」の紙も用意していなかったという。
 それでも、「本来の司法権の役割を明確に打ち出してくれた」と判決を高く評価。判決が、今年11月27日から選挙が無効となるとした点について、「我々の望み以上に短い期間。国会議員は襟を正して是正に取り組むべきだ」と訴えた。
 同席した石井誠一郎弁護士も、これまで区割りを是正してこなかった政治を批判し、「違憲状態とした2011年の最高裁判決から前回選まで、国会の会期は479日あった。考える期間を裁判所が与えていたのにできなかった」と指摘した。
 ◆当事者
 衆院広島1、2区で選挙戦を戦った当事者たちは、複雑な表情で受け止めた。
 「厳粛に受け止めなければならない」と言葉少なに語ったのは、広島1区選出の岸田文雄外相。同2区選出で自民党の平口洋衆院議員は「区割りのあり方を議論していかないといけない」とした一方で、「広島1、2区だけ(1票の格差が)突出しているわけではない。『司法は踏み込みすぎだ』という議論も出るのではないか」と苦言も忘れなかった。同党広島県連の宇田伸幹事長も、「内政や外交で課題が山積するなかで、再選挙を求めるのは非現実的」と批判した。
 落選者からは「やり直し」を求める声も上がった。広島1区から民主党公認で立候補した野中幸市さんは「裁判の結果を軽んじることは、国民の意思を軽んじること。格差を正したうえで、選挙をやり直すべきだ」と強い口調で語った。

2013年3月26日(火)7時13分配信 読売新聞
http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/yomiuri-20130325-01557/1.htm

大阪など4高裁・支部「違憲」=無効請求は退ける―衆院選1票格差訴訟

 「1票の格差」を是正せずに実施された2012年12月の衆院選は違憲として、弁護士らのグループが選挙無効を求めた訴訟の判決で、大阪、広島両高裁、福岡高裁宮崎支部、同那覇支部は26日、いずれも選挙を違憲と判断した上で、無効請求は退けた。
 12年衆院選をめぐっては、広島高裁の別の裁判部と同高裁岡山支部が、選挙は違憲で無効とする判決を言い渡している。一連の訴訟の判決はこれで、「無効」2件、「違憲」11件、「違憲状態」2件となった。

2013年3月26日(火)16時28分配信 時事通信
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jiji-26X210/1.htm

 さて、法律用語で「無効」ということの定義を上記に書いた。
 「無効」とは、まさにその現象が起きる前に戻して、それ以降のすべての行為の効力をなくすということである。要するに、総選挙の結果で自民党が勝ったこと、そして議席を得たことも、安倍内閣ができたこともすべて元に戻すという判決を出したということである。同時に、野田民主党内閣に戻し、定数是正をした後にやり直せということを判決では意味している。
 それが国民感情的に現実的かどうかという評価は別にして、実際にそのようなことを考えているのである。法律的にはそのようなことを行っている。まさに一方で司法が行政(この場合は選挙結果という立法の権限に属するのであるが)に対して介入し決定を下したということになるのであるが、一方で、三権分立の中において、司法の決定を完全に無視するということにはならないはずである。早晩、選挙制度を改革して、是正しなければならない。しかし、実際にそれでよいのであろうか。
 逆に無効としているのであれば、実際に、12月17日以降現時点までの経過処理も示唆すべきである。無効であるとして単に権利失効をすればそれで社会的影響が大きくなってもかまわないということなのであろうか。実際にそうではないはずである。司法が社会を壊すまたは停滞させるということを日本人は望むのであろうか。
 また、この責任は誰にあるのか。そもそも、違憲状態であることを知りながら、違憲状態のまま解散を行った野田首相に責任は無いのか。現政権、要するに安倍政権に責任があるというものではない。では、その「違憲状態を知りながら解散総選挙をした野田政権」に戻すということなのであろうか。司法はそれを命じているということになる。要するに「憲法違反者に政権の権力を戻す」という決定が、果たして正義なのか。
 この問題は単純に画期的とか、あるいは斬新というものではなく、三権分立そのものの根本的な関係を示す、考える内容として見るべきではないのか。そのような見方をする解説が少ないような気がするのは私だけではないはずである。
 

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