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共産主義革命から富国強兵へ大きくシフトした習近平体制の中国共産党

共産主義革命から富国強兵へ大きくシフトした習近平体制の中国共産党

 過去に、私の文書、または著書「2014年中国は崩壊する」の中にも記載している通りであるが、「中華人民共和国」の「憲法全文」の中には、「我が国では、搾取階級は、階級としては既に消滅したが、なお一定の範囲で階級闘争が長期にわたり存在する。中国人民は、我が国の社会主義制度を敵視し、破壊する国内外の敵対勢力及び敵対分子と闘争しなければならない。」と言うことが明記されている。もちろん今回の全人代によってその理念が破棄されれば、この理念、要するに「各国の階級主義者もしくは資本主義者」に対して「闘争」を行っているはずである。そのために、「中国の各民族人民は、引き続き中国共産党の指導の下に、マルクス・レーニン主義、毛澤東思想、鄧小平理論及び"三つの代表"の重要思想に導かれて」「我が国を富強、民主的、かつ、文明的な社会主義国家として建設する。」(中華人民共和国憲法前文より)と言うことになる。
 さて、よくよく考えてもらいたい。「社会主義国家」で「共産主義革命」を「国の内外」に推し進めるのに「富国強兵」とは、一見理屈が合っているように見えてあっていないことがお分かりになるであろうか。実際に、「富国」は「国家を富ませる」ということであり、「国家」と言う単位で、経済的に「階級」を作ることを意味している。その内容は、「富める国」と「貧しい国」という二つのカテゴリーにあり、そのカテゴリーの中において「富める国の階級」に入ることを意味しているのである。同時に、共産主義革命を全世界で行い、闘争を行う先にあるものは、国家と言うことをまったくなくした「原始共産社会」であり、そもそも「国家」という枠組み自体が否定されるものである。当然にその理念から「統一戦線」という団体ができるわけであり、「富む」「国家」という二つの理念そのものが、そもそもの原始共産主義とまったく異なる枠組みになっていると言うことがいえるのではないだろうか。
 ある意味で、現在の中国という国家が「資本主義化した改革開放経済」で経済活動を行っているために、本来の「社会主義イデオロギー」「共産主義革命」と言ったところが無視されてしまっている。そのために、日本のマスコミの中には、これらの中国共産党理念をまったく無視したような内容の解説ばかりで、そもそもの共産主義と考え合わせた論評が非常に少ない。しかし、この習近平新指導部の宣言は、まさに中国共産党の根本から覆すような大きな問題になるのかもしれない。

習近平体制、「平和発展」から「富国強兵」に

 【北京=山本勲】5日開幕した第12期全国人民代表大会を機に、中国は胡錦濤体制から習近平体制への10年に1度の政権交代を行う。2003年春発足した胡錦濤政権は外には「平和発展」、内では「調和社会の構築」を唱えた。多くはかけ声倒れに終わったが、努力の跡もうかがえた。対照的に今大会で国家主席を兼任する習近平共産党総書記は「中華民族の偉大な復興」を唱えて民族主義を鼓吹し、富国強兵路線を邁進(まいしん)しようとしている。国際社会は対外強硬姿勢をあらわにする習政権を前に、新たな対応を迫られている。
 ◆調和から強硬に
 新型肺炎「SARS」が北京で拡大していた03年春。当時、江沢民・中央軍事委員会主席ら前政権指導者が感染を恐れ、上海などに避難する中、政権継承間もない胡錦濤国家主席、温家宝首相らは病院を相次いで訪問、陣頭指揮に当たった。
 新政権の鮮烈なデビューは「胡温新政(胡錦濤・温家宝の新政治)」と内外の期待を集めた。「調和社会の構築」を唱えて社会格差是正に取り組み、農業関連諸税を全廃するなど一定の成果も挙げた。外交面では江沢民前政権の反日民族主義路線を改め、「善隣友好、平和発展」政策を打ち出した。08年には東シナ海のガス田共同開発で暫定合意するなど、日本重視の姿勢は随所にうかがえた。
 だが胡温政権の10年は江氏の院政に阻まれ、自前の政策の多くを実現できなかった。この間、高度成長を実現し、昨年の国内総生産は約52兆元(約780兆円)と約4倍に増えた。しかし過度の公共事業や重化学工業の非効率投資と輸出主導の成長は、深刻な環境破壊をもたらした。上海閥、太子党(高級幹部子弟)などの既得権益層の抵抗で政治・経済改革は頓挫し、所得格差は後発途上国並みに拡大。年間の集団抗議行動は10万件を大幅に超えた。
 ◆「強大な軍必要」
 習総書記は深刻な国内の亀裂を「中華民族の偉大な復興」という江政権時代のスローガンを再び持ち出し、この「夢の実現に努力しよう」と国民に呼びかける。さらに、「夢をかなえるには強大な軍隊が必要」で、「(領土・領海など)国家の核心的利益を絶対に犠牲にしない」と、強硬姿勢をむき出しにしている。
 こうした動きが国内の結集力を強めるための過渡期の現象か否かは慎重に見守る必要があるが、日本は最悪の事態をも想定した対策を急ぐ必要があるだろう。

2013.3.6 08:54 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130306/chn13030608570003-n2.htm

習総書記「美しい中国を建設しなければならない」=全人代

 中国共産党中央委員会の習近平総書記は8日、江蘇省代表団の審議に参加し、美しい中国を建設しなければならないと述べた。中国国際放送局が報じた。
 習総書記は、「産業構造の調整を進め、現代的な産業の発展を推進しなければならない。過剰な生産力の調整を重点とし、経済発展の質を向上させ、発展の継続性を強めなければならない。都市化を安定して推進し、工業化と都市化の相互促進、都市化と農業現代化の協調を実現しなければならない。また、文明建設を推進し、美しい中国を建設しなければならない」と強調した。
 中国共産党中央政治局常務委員の張徳江副首相、劉雲山中央書記処書記、王岐山氏、張高麗氏はそれぞれ、広東省代表団、青海省代表団、安徽省代表団、山西省代表団の審議に参加した。(編集担当:村山健二)

サーチナ2013年03月08日21時39分
http://news.livedoor.com/article/detail/7482026/

 中国共産党の大きな問題は、そもそも、「改革開放経済」要するに「社会主義的市場経済」という資本主義化した経済構造と、社会主義、または憲法に記載した共産主義革命と言うものの乖離であると言うことが言える。まさに、その内容は、完全に逆方向に触れているものであり、そして、元来メンツを重視し、同時に人的関係における信用性の欠如している中国国内において、資本主義、要するに金銭的物欲に大きくシフトすると言うことは、本来の「飯の種にならない理念」を捨て去ることに、何の疑問を持たないと言うことになる。
 「理念」と「カネ(物欲)」で、当然に「カネ」を選択するのが中国人であるということが言える。ある意味で、中国の国共戦争および文化大革命は、中国の少し古い人に聞けば、それまでの価値観が大きく狂い、そして身内が身内を、近所の人が近所の人を、友人が友人を騙し、陥れ、そして他人を踏み台にしてのし上がってきた。逆に、他人を信用し、そして他人とよくやろうとした人は、すべて騙されて落ちぶれていったか、または、海外に逃げていかざるを得なかったのである。日本も敗戦によって、それまでの価値観が180度反転した。しかし、日本人はそのときに日本人同士が団結してその苦難を乗り切った歴史がある。その歴史こそが日本の戦後の経済発展の歴史であり、そしてその結果が日本の高度経済成長であるといえるのであるが、残念ながら、中国は国内でその価値観の反転をしながらも、国内の人を団結するのではなく、国内の人々を分離させ、そして国内の人々を孤立させた。まさに、共産主義の基本となる「異分子の放追」であり、一種の「魔女裁判」のようなことが行われていたのである。現在も、貴金属や高級な装飾品などをつける中国人が多い。一部若者の中には趣味でそのようにしている人が多いが、古い人は「政変があっても、そのまま逃げて換金できる」ということをいう人は少なくないのである。まさに「カネは裏切らないが人は裏切る」というのが中国人の根本的な考え方である。
 その中国人の中に「資本主義」を根付かせてしまえば、それは、まさに物欲しか残らない。その物欲がまねん下社会で「共産党」のトップとして国家の指導部になったのが今回の習近平新執行部だ。そして、今回の「富国強兵」は、まさに「理念を捨てて、市場経済を優先する」と言うことを主張したものであり、ある意味で、中国の資本主義化、そして反利益集団、利益背反国家に対しては武力を持って制すると言うことを主張したのである。ただし、「富国強兵を『目指す』」という言葉は、すぐにそれができない、もっといえば、中国そのものが「戦うことのできない国家」になっていると言うことを意味しているのである。
 中国のこれらの内容に関して、日本はまさに隣国として、要するに、利益背反になる可能性の最も高い国家として、注目する必要がある。そもそもの理念と、そして現在目指しているほう好悪違いはそのまま「本音と建前」の違いを出している。そのことを以下にうまく主張することができるか。今度は日本の宣伝戦が期待されるところである。

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コメント

階級闘争が共産主義の基本理念であったはずである。ところが中国共産党は平安時代の平家よろしく、共産党にあらずば人にあらずで、党幹部は自分の地位を利用して巨額の蓄財に走り、共産党から外れたものは貧しさの中に捨て置かれる。共産党とは真っ赤な嘘で、弱肉強食党と看板を変えるべきであろう。我が家の猫は7匹いるが弱い猫をいたわる心を持ち合わせている。中国共産党は、猫以下の存在でしかない。嘘で固められた中国共産党は、決して心優しき日本人には受け入れられない。それが中国共産党のしゃくにさわるるのであろう。しかし大多数の中国人は、共産党ほど馬鹿ではない。彼らは中国共産党が嘘で固められた犬畜生に劣る集団である事を見抜いている。日本のやるべき事は、中国人民に本当の情報を提供し、中国共産党を打倒するべく立ち上がるきっかけを与える事である。

投稿: 丸山 将 | 2013年5月 9日 (木) 01時14分

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