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百貨店の二月期連結決算で現れた明暗と日本の景気回復

百貨店の二月期連結決算で現れた明暗と日本の景気回復

 景気に関して「アベノミクス」と言われており、その経済政策が株価などに関しては非常に大きな影響を与えている。しかし、実際に株などを持っていない私のような貧乏人にとっては、基本的には余り大きな内容は存在しないのである。しかし、景気が良くなったと言うのは肌で感じることができる。そのことは小売業者の「賑わい」ではかるものである。なんとなく街が、商店街が、そしてその中にある大型ショッピングセンターが人があふれている。もちろん何もかわずに時間をつぶしている人もいるが、実際は何らかの金を落としてゆくのである。そのショッピングセンターの最も最高峰にいる(いた)のが百貨店である。
 アベノミクスといわれる経済の変化は、何度か書いているが実際に経済そのものの変化ではなく、「景気感」による変化である。実際に何か行為を行ったのではなく、安倍首相の「金融緩和」「2%のインフレターゲット」や日銀の黒田新総裁による「異次元の金融緩和」などの単語によって、市場がその単語に反応し、その市場の反応によって景気が良くなってきてると言うことダル。実際に安倍首相や黒田日銀総裁は、現段階で行動を起こしていない状態であり、まだ「言っただけ」である。それでもこれだけの経済変動が起きているのである。
 ましてや外交上は、日中関係も日韓関係も特に改善されたわけでもなく、韓国も中国も新執行部に移行したてで不安定な要因が大きい。その上北朝鮮の「ミサイル騒ぎ」(この文章が読まれる頃には発射しているかもしれないが)であることから、今後の先行きは不安定であることは間違いはない。実際に、もっとも不安定な国である韓国の経済は、株が軒並み値下がりし、「戦争不況」になってしまっているのである。それなのに、同じように狙われている日本は好景気に沸いているのであり、インフレ傾向になってきているのであるから、その違いは歴然としたものであると言える。もちろん、日本の景況感に関しては、そもそもの日本の実力よりも低いデフレ不況であったと考えるべきであり、日本が実力を正当に評価されただけのことであると言えば、それまでのことなのかもしれないが、そのきっかけになったのは、安倍首相や黒田日銀総裁の発言や、自民党政権に対する期待感(と言うよりは民主党政権に対する諦めが強かったのかもしれないが)が高いものと考える。
 しかし、この動きを予想して動いたかどうかと言うことは、各企業にとっては非常に大きなものになっていているのである。景気が良くなったと言うのは国全体や社会全体のことでしかなく、各企業がその景気の波に乗れているのかいないのかにかんしては、別な観点、要するに個別企業の決算などが必要になってくる。特に、今年度の決算は、昨年の4月から12月までは民主党政権であった。しかし、その途中の9月に自民党の総裁選挙が行われ(民主党の代表選挙もあったのだが余り話題にならなかった)、その中で景気を浴することが争点となって戦われたのである。そして、10月以降は安倍自民党総裁の意向が大きくクローズアップされるようになり、自民党政権への期待感が大きくなった。その上で12月に総選挙1月以降安倍政権なったのである。この変動した政治状況と、その政治状況殻近未来を予想した景況感で品揃えができたかどうかが、百貨店の決算につながっていると言えるのである。
 その件に関しての記事が下記の通りである。

<百貨店>3陣営明暗 J、高島屋増益 そごう・西武は減

 大手百貨店3グループの2013年2月期連結決算が9日、出そろった。大丸と松坂屋を傘下に持つJ・フロントリテイリングと高島屋が増収増益だったのに対し、そごう・西武は減収減益と明暗が分かれた。安倍政権の経済政策「アベノミクス」で足元の景況感は改善しており、高級時計や貴金属など高額品は好調だ。しかし、業界では「まだ一般消費者の懐までは温かくなっていない」(高島屋の鈴木弘治社長)と消費の本格回復には懐疑的だ。
 Jフロントは昨年8月に買収したファッションビル大手パルコの売上高1378億円が上乗せされ、前期比16.1%の大幅増収となった。大型専門店の誘致など「脱百貨店」を掲げており、新規店舗の導入などパルコのノウハウを取り入れて昨年10月に増床オープンした大丸東京店は好調。山本良一社長は9日の決算会見で「パルコを手本にさらに(百貨店改革を)進めていく」と自信をみせた。
 今後は新規マーケット獲得のため、「インターネット通販を拡充し、海外事業も積極的に進める」(山本社長)考えで、15年の上海出店を目指す。また、4月には業績が低迷していた子会社の食品スーパーのピーコックをイオンに売却して経営体質の改善も進める。
 高島屋は高額品が好調なうえ、シンガポールなど海外店舗も増収に寄与した。アベノミクス効果で最近では比較的単価の高い紳士・婦人衣料に伸びが出始めた。しかし、主力の衣料品全体では依然として専門店に押されている。高島屋は昨年12月に中国・上海に出店、15年にもベトナム・ホーチミンに出店予定で積極的に海外展開を進め、生き残りを図る。日中関係の悪化で上海の業績は予想ほど伸びなかったが、「中国が海外戦略の大きな柱というのは変わらない」(鈴木社長)という。
 セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武は、衣料品の不振が響き売上高は2.3%減、営業利益も1割減で最終損益は36億円の赤字。14年2月期は「コスト削減を徹底」(幹部)して増収増益を見込む。
 一方、アベノミクスで消費回復が期待されてはいるが、各社トップは「所得の増加や雇用環境の改善がないと全般的な消費環境の改善は見込めない」(鈴木社長)と冷静だ。12年の全国百貨店売上高は全店ベースで16年連続で前年割れを記録し、国内市場は縮小する一方。さらに来春の消費税増税が近づくにつれ、消費マインドを冷え込ませる可能性もあり、「これからの最大の課題は消費増税の荒波の高さ。筋肉質の経営体質作りが必要」(山本社長)と懸念を強めている。【西浦久雄、松倉佑輔】

 【キーワード】百貨店業界の再編
 百貨店売上高はピークだった91年に約9兆7100億円だったが、12年には6兆1400億円と4割近く減少した。経営環境の悪化が続く中、大手百貨店は00年以降に生き残りをかけて合従連衡を加速させ、今では三越、伊勢丹の三越伊勢丹ホールディングス(HD)、大丸と松坂屋のJ・フロントリテイリング、高島屋、そごう・西武のセブン&アイ・HDの4グループに集約された。この上位グループに、阪急、阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングや小田急、近鉄、東急、東武などの各電鉄系百貨店が続く。Jフロントが昨年8月にパルコを子会社化したが、今後も業界再編は進むとみられる。

毎日新聞 4月9日(火)21時3分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130409-00000079-mai-bus_all

 百貨店はデフレの時代に大きく再編されてしまっており、電鉄系の百貨店を除いてさまざまな形で系列化してきている。そのために、その系列ごとに特徴のあるないようになって言うが、逆に景況感などの読み間違いや消費の冷え込みがあると非常に大きな落ち込みにつながる可能性がある。
 また、百貨店は基本的には「衣料」の売り上げである。実際に衣料品は、粗利益率が7~8割と非常に高い利益率があるために、その利益率によって全体を維持してゆくと言うところもあるのである。しかし、近年、と言うよりはバブル崩壊後衣料品はバブル時代の衣料の在庫で成立してしまい、長引くデフレ不況は百貨店で衣料品を買うのではなく、スーパーマーケットや衣料品の専門店で購入するようになってしまっている。高級のブランド品や百貨店で衣料品を購入することが少なくなってしまう状態になってしまっているのである。その上で、各百貨店は食品売り場、いわゆる「デパ地下」に重点を置いたり、あるいは衣料専門店などをテナントに入れるなどして生き残りをかけてきた。
 しかし、それらの内容は基本的には、「デフレ時代の戦略」であり、上記の政治的な変動にしたがって、今後もデフレが続くのか、あるいは、安倍首相の言うインフレターゲットが成功すると見るのか。それに従ってどのような商品が売れるのか、そして売れる商品を景気の動向と同じように考えている起業と連携をするためにはどのようにしたら良いのか、と言うことを見なければならないのではないか。
 実際に、Jフロントは前期比16.1%の大幅増収となった。特にこれは「脱百貨店」を掲げインターネットでの販売や大型店化なども含め、昨年後半からの景気動向に関して、拡大路線、要するに「景気が回復する」として出店戦略も、またテナント戦略も行ったのではないのか。これがそのままデフレが続いていれば、実際には大きな失点につながったと考えられるが、アベノミクスによる景気回復が、その企業の決断を大きく後押しした形になったのである。
 一方高島屋は、額品が好調なうえ、シンガポールなど海外店舗も増収に寄与した。アベノミクス効果で最近では比較的単価の高い紳士・婦人衣料に伸びが出始めた。まさに、高額品の販売が増えると言うことは、高島屋そのものがいまだに外商部などをしっかりと抱えているように、高級顧客を不況の中でも囲い込んでいたと言うところもあるし、また、その上で景気の回復に先立って高級品を仕入れていたと言うこともありうるのではないか。そのことが好業績にあたったと言うことができる。
 これに対して「所得の増加や雇用環境の改善がないと全般的な消費環境の改善は見込めない」(鈴木社長)という考え方のセブンアンドアイは、やはりデフレ時代の品揃えをしてしまうために、業績が振るわなかった。それでもこの発言の通りに「経費節減に努める」と言うのであるから、インフレ時代の売り方をどのようにするのかと言うことが最大の問題になるのかもしれない。
 このように、インフレ時代にはインフレ時代の商業の方法があり、またセールストークが必要になる。そして、インフレ的な売り方をするような状態が続けば、当然にそれを見、聞きしている一般の人の景況感が良くなるのである。何も、アベノミクスだけではなく、街中の売り子の声だけであっても、その威勢がよければ、当然に景況感は良くなってくる。社会の元気はそのようにして作られるのではないか。
 アベノミクスが、良く「何もしていないのに景気だけが良くなった」と言うことを言う論調がある。しかし、そもそも景気とはそのようにして「作られる」非常に心理的な要素の大きなものであると考えられるのである。マスコミがこの景気回復を邪魔しないようにしなければならないのかもしれない。

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