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「鉄の女」イギリス・サッチャー元首相の「意志の力」

「鉄の女」イギリス・サッチャー元首相の「意志の力」

 今週は北朝鮮のことを一週間連続でブログに書こうと思っていたのであるが、そのことよりも大きなニュースが入ってきた。もちろん「大きい小さい」という事を比べられる問題ではないのかもしれないが、ここの「大きい小さい」と言うのは、このブログを書いている私の主観である。私が「これはしっかりと書かなければならない」と思いが強いほうが「大きい」とかく。北朝鮮のことは日本にとっては喫緊で重大な話題であるが、しかし、現在「ミサイル発射の恐れがある」と言うように、まさに今後の予想でしかない。今後発生する可能性があることの評論よりも、やはり、訃報に接した場合はその訃報を重視してしまうのが私個人の価値観と言うことになるのである。
 さて、このサッチャー首相。私が学生時代にイギリスの首相を11年続けた人である。私おじんからすれば、イギリスの首相と言えば「サッチャーさん」という感覚が抜けない。それだけ日本人にとっても、当時学生時代であまり政治などを知らない私にとっても、印象に残る首相であったと言うことが言えるのではないだろうか。
 また、そのサッチャー首相の時代はイギリスだけでなく、ヨーロッパそして世界全体が大きく動いた時代であった。その中においてアメリカのレーガン大統領とそもに、反共の旗振り役として世界を動き、そして、最終的にはソビエト連邦の解体、そして、有名なベルリンの壁を壊したのである。
 同時に、強いイギリス、大英帝国の実現めざし、そのために富国強兵を実施した。それまでの「ゆりかごから墓場まで」という評語で表されたイギリスの過剰なまでの社会保障を廃止、「自分の足で立て」と自立を促し、その上で、イギリスと言う国家の繁栄を目指したのである。強いイギリスは何も経済的な部分だけではない、サッチャー首相と言えば、間違いなくアルゼンチンとの間におけるフォークランド紛争が思い浮かぶ。
 フォークランド紛争と、大英帝国の復活と言うことに関しえては、記事の後半にこのつづきを書くことにしよう。

サッチャー元英首相が死去

 【ロンドン共同】1979年から90年まで英保守党政権を担い、強力な指導力と反共産主義の姿勢から「鉄の女」と評されたマーガレット・サッチャー元首相が8日午前に死去した。87歳だった。英BBC放送などが報じた。元首相の関係者は「脳卒中を起こした後、安らかに死去した」と語った。「英国病」と呼ばれた経済低迷を金融分野の大胆な規制緩和や国有企業の民営化推進など競争原理に基づいた市場経済路線を定着させた。

2013年4月8日(月)21時7分配信 共同通信
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/kyodo-2013040801002634/1.htm

<サッチャー氏死去>米ソ首脳と信頼関係 国際社会動かす

 英国にとってサッチャー氏の最大の功績は、対米関係を強化して国際社会で大きな影響力を維持したことだろう。盟友レーガン米大統領との個人的信頼関係を軸に両国を中心に国際社会を動かした。フォークランド紛争(1982年)では軍事力で英国の力を示し、ソ連のゴルバチョフ元大統領とも信頼関係を構築して東西冷戦を終結に導いた。
 英国は産業革命と、その技術・軍事力による植民地の拡大でビクトリア朝(1837~1901年)時代に繁栄を享受し、世界で最も豊かな国となった。しかし、20世紀の2度の世界大戦で英国の富は極度に減少した。特に第二次世界大戦ではナチス・ドイツによってロンドンまでも空襲され国土は荒廃した。第二次大戦後は民族独立の機運が高まり、インドをはじめ次々と植民地を失った。国際的には米国の影響力が圧倒的に高まり、英国は欧州の一角に押しやられた。
 にもかかわらず労働組合は従来通りの権利を要求し国民は高福祉を満喫した。70年代になると英国経済は疲弊して「英国病」と呼ばれ、76年には国際通貨基金(IMF)の支援を受ける。国際社会での英国の地位は失墜し、国民は自信を失う。
 そうした中、登場したのがサッチャー氏だった。国際的には欧州よりも米国との関係を重視し特別な2国間関係を構築した。国内的にも、平等や労働者の権利よりも自由化、競争原理の導入を重視する米国型の政策を断行した。強い抵抗もあったが、女性初の首相であるサッチャー氏はそれを世論の支持ではね返した。結果的に英国経済は回復軌道に乗り、その後のブレア労働党政権の経済成長につながっていく。
 しかし、今、サッチャー氏が構築した米国との関係は難しい局面に入っている。ブレア首相時代に英米が突き進んだイラク戦争の泥沼化で、英国民には米国一辺倒の外交政策に批判が強い。オバマ米政権も太平洋重視を鮮明にし、英国との関係を特別視することはほとんどない。欧州連合(EU)には英国への不信や不満が根強い。英国は極めて難しい外交課題に直面している。
 国内的にもサッチャー改革の矛盾が噴き出している。金融自由化で資金はロンドンに流れ込んだものの、その利益に浴する層は一部に限られ、労働者の権利縮小と福祉切り捨てで貧しい者の生活は極めて厳しくなった。こうした不満の蓄積は2011年夏のロンドン暴動に表れた。英国は今、外交、経済、社会とさまざまな面で「鉄の女」が作った矛盾との戦いにエネルギーを費やしている。サッチャー氏はそんな時代に逝った。

毎日新聞 4月8日(月)21時37分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130408-00000084-mai-eurp

意志の力示したリーダー=サッチャー氏死去に安倍首相

 安倍晋三首相は8日、サッチャー元英首相の死去について「意志の力を身をもって示した偉大なリーダーであり、国家国民のために全てをささげた尊敬すべき政治家であった」とのコメントを発表した。
 首相は2月28日の施政方針演説で、フォークランド紛争でのサッチャー氏の毅然(きぜん)とした態度を取り上げ、領土を守る決意を訴えた経緯がある。コメントでは「英国国民と深い悲しみを共にしたい」として、同氏を悼んだ。
 首相当時、交流のあった中曽根康弘元首相も「第2次世界大戦後、自由世界でレーガン元米大統領とともに記憶されるべき政治家であり、共産ソ連に対抗し、自由世界が協力団結すべきことを訴えた傑出した政治家だった」とコメントした。 

時事通信社 2013年04月08日23時01分
http://news.livedoor.com/article/detail/7575267/

 サッチャー首相は、まさに偉大な政治家であった。では、サッチャー首相の何が偉大であったのか。私は残念ながらサッチャー首相に生でお目にかかったことはない。彼女の語った語録や彼女の話など、そして政治低な活動を見ていれば、その政治家としての偉大さがわかると言うものであるが、実際に生で接した人の感じるものとはまったく異なるものであることは、あらかじめ申し上げておく。当然に、人間としてのサッチャー首相も知っているわけではない。完全に日本のマスコミ、特に私の場合は学生時代にマスコミが報じたサッチャー首相師か知らないのである。
 それでも、サッチャー首相は偉大な政治家だと思う。何が偉大な政治家なのかといえば、安倍首相のコメントでもわかると思うが「意思の力」であったのではないか。
 政治家は、基本的にその目指しているものが必要である。日本にも新年の政治家はたくさんいる。しかし、サッチャー首相のものは、完全に「イデオロギー」(反共)、政治哲学(大英帝国の繁栄)がしっかりした上で、そのための具体政策を行った。その目標をしっかりと掲げ、そして、その目標のために政治を行うということをしっかりと打ち出し、国民に示した上で、そのための具体的な政策を行った意味で、「意志の力が強い」ということになる。イデオロギーと政治哲学は、ある意味において、現在の生活を不便にすることがある。先にもあげたが「ゆりかごから墓場まで」という社会保障をなくせば、当然に困る人が出てくる。現在の快適な生活を手放して大英帝国の繁栄を目指すということは、気持ちではわかっていても、または理論ではわかっていても、それをしっかりと選択すると言う政治決断ができるのかということは非常に難しい。現在の日本の政治でもそのような決断を必要とするが、選挙などを目の前にして、安易なほう現在の利益のほうに舵を切ってしまう国が、日本だけ出なくても出てきてしまうのである。
 サッチャー首相は、そのときもその信念を曲げなかった。まさにフォークランド紛争も、そして経済政策の「サッチャーリズム」もすべてにおいてそのことがしっかりと頭の中に入っていたのではないか。
 フォークランド紛争では、一歩も引かない、後ろに退かないイギリスの国家像を強く示し、その内容は現在の日本において、尖閣諸島や竹島に関する問題に対する日本政府の対応と良く比較される。まさに、政治家としてのトップの決断が、各国家にどのように影響するのかということが良くわかるものである。同時に、そのような偉大でない政治家が行う場合は、当然に、経済やそのほかの政策もあまり前に進まなくなってしまうのではないか。
 偉大な政治家、現代の世界においてサッチャー首相のような「意志の力」のある政治化が必要なのではないか。時代やそのほかの環境もあるが、そのような政治家がどうしても欲しいものである。

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