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今回の参議院選挙でも証明された選挙の格言「悪名は無名に勝る」という真実

今回の参議院選挙でも証明された選挙の格言「悪名は無名に勝る」という真実

 選挙の格言の中に「悪名は無名に勝る」と言うものはある。どのような悪口、悪口雑言であっても、誹謗中傷であっても、誰の話題にも上らないよりは、誰かにうわさをしてもらったほうが良いと言う意味である。
 とにかく選挙というのは「目立つ」事が重要である。どのようなことであっても、泥臭くても、目立ち、顔と名前を覚えてもらわなければならない。皆さんも投票所にいったことがある人(一般の成人ならばいったことがあると言うよりは行かなければならないのですが、一応インターネットですので未成年の方も、外国人の方も見ますので)ならば、すでにわかるとおりに、投票所には無機質な名前の一覧表と政党の一覧表しかない。今回の参議院選挙ではひれ息の場合も全員の名前が書いてあるだけで、それだけでは、どのような主張なのか、どのような内容を言っているのか、どのような人柄なのかまったくわからない状態である。そのために、まず「見てもらう」次に「聞いてもらう」そして「知ってもらう」というプロセスが必要であり、興味も何もない状態であれば、どんなによいことを言っても誰も聞いてくれないのだ。
 私はこの状態を説明するのに、何年も前から「有権者は壊れたラジオと同じ」と言う表現をしている。何も有権者を卑下したりさげすんでいるわけではない。有権者は有権者として政治だけではなく毎日生活し、日々の自分の楽しみを見つけている。当然にさまざまな興味を持っており、その興味に従った内容を話しているのである。問題は、経験が少なければ少ないほど、要するに、若年層になればなるほど、自分の興味があることしか耳を傾けなくなってしまう。他のことは自分とは関係がないという感覚を持ってしまうのである。
 要するに、その受信者である有権者の「興味のあること」である周波数を送らなければ、候補者がどんなに良いことを話していても、そのことに興味を示すことはないのである。興味のあること意外を受け付けない、目の前で話していても素通りしてしまう。この現象を、ラジオに見立てて、一定の周波数、要するに有権者の興味のあることに関連付けて話をしなければ、「興味」を持ってくれない。そもそも音声として認識することなく、ラジオの周波数が合っていないかのように雑音にしかならないのである。
 その意味で、タレント候補と言うのは、非常に得をしている。少なくとも「知ってもらう」と言うのが、テレビなどのほかの媒体で行っているものであり、同時に、何を話しているのか、どのような話をするのかに関して、政治的な主張とは別に興味を持ってもらえるのである。そして、その内容が選挙の時期になって「悪名」であっても、すでに有名であれば十分に有利な選挙活動が可能になるのである。
 今回も多数のタレント、著名人候補が輩出された。あまりにも多数の著名人候補が出たので、その中に当落が出てきた。しかし、その中でも「過激」な主張をする人が、テレビなどのマスメディアで取り上げられるようになる。まさに「有名」だけでなく「より一層悪名」が出ることによって、かえってより有名になるのである。
 今回の参議院選挙でその代表格がワタミの創業者である渡辺美樹(自民党)議員とタレントの山本太郎(無所属)議員であろう。

ワタミ創業の渡辺氏、未明に当選「逆風…みんなのおかげ」

 「本当にみんなのおかげです」「心から感謝しています」。22日未明になって、当選を決めた自民新人の外食大手ワタミ創業者、渡辺美樹さん(53)は、東京都大田区の選挙事務所で、支持者を前に何度もこう繰り返した。
 平成23年の東京都知事選に無所属で立候補したが落選。今回の参院選では、公示前にワタミの会長を辞任して、全国を駆け回った。選挙戦では、経営実績を生かして幅広い層に経済政策を訴えたが、ワタミの運営などを批判されることもあった。「思った以上に逆風だった」と語る。
 「当選確実」の一報を伝えられたのは、22日の午前3時半過ぎ。「(選挙戦終盤で)まずいかなという気持ちはあった。受かる受からないは天命だろうと…」と心境を明かした。

産経新聞 7月22日(月)7時48分配信
.http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130722-00000545-san-soci

「完全無所属」山本太郎氏、当確にガッツポーズ

 参院選は21日、投開票され、東京選挙区(改選定数5)では、無所属で「脱原発」などを訴えた新人の山本太郎さん(38)が、インターネットをフル活用した選挙戦で初当選を果たし、主要政党の一角を崩した。
 山本さんは午後8時過ぎから杉並区高円寺北の事務所で、ボランティアのスタッフらと開票速報を見守った。約1時間後、当選確実の報が流れると、一斉に歓声が上がり、「太郎」コールが湧き起こった。
 支持者らと抱き合い、街頭演説で使ったビールケースの上でガッツポーズ。「この国は泥船。どうにか岸に着けたい。エネルギーは足りている。原発はいらない」と言い切った。
 売れっ子俳優だった山本さんが脱原発の姿勢を強めたのは、東京電力福島第一原発の事故直後。「子供たちに悲惨な未来を引き継ぐことになるかと思うと黙っていられない」と、昨年12月の衆院選に挑んだ。公示直前に東京8区(杉並区)から出馬を表明し、落選したものの、石原環境相に次ぐ7万票余りを獲得した。
 2度目の戦いとなった今回、複数の政党から公認や推薦の打診を受けたが、「しがらみのない国会議員でなければならない」と「完全無所属」にこだわった。選挙戦では、ツイッターなどインターネットを駆使。全国から集まったボランティアは延べ1200人を超えた。

(2013年7月22日12時34分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2013/news/20130722-OYT1T00700.htm?from=main8

 渡辺議員に関しては、少なくとも渡辺議員の経営する「ワタミ」やそのグループの労働環境で過労死者が出たと言うこと、そしてその後のケアに関して問題があり、労働環境上「ブラック企業」と言うレッテルを貼られた。この内容はうわさに関しては、私自身が取材しているわけではないので良くわからない。しかし、実際に、このようなうわさが、「ブラック企業」と言うレッテルを貼ることによって、かえってマスコミの注目を集め、下手なタレント候補よりもはるかにテレビ出演が多くなった。
 特に、このようなことをここに書くには不謹慎なのかもしれないが、過労死をした労働者の遺族が自民党に押しかけたり、あるいはマスコミに対して記者会見を行うなどの行動をしたが、これらはユースとして取り上げられるために、他の候補者よりもニュースや報道番組で取り上げられる回数を増やし、結果的に渡辺候補の「悪名」という「有名度合い」を上げると言う結果になった。要するに彼らの反対運動そのものが、渡辺候補の選挙活動の手伝いになってしまったと言う非常に皮肉な結果になったのではないか。
 おかげで、夕刊紙やスポーツ紙などは、連日「ブラック企業」と言うことを記載して、ネガティブキャンペーンと言う名の応援を行ってしまった。このことによって同じ自民党でも若狭勝氏や佐竹雅昭氏など他の著名人候補を押しのけて、渡辺議員が当選すると言うことになったのである。
 一方、山本太郎議員に関しても同じ。保守派の間でインターネットの中で山本太郎議員と左翼過激派の関係を疑う(または確信的に連携を主張する)書き込みが多く行われた。このことによって、東京選挙区ではかえって反原発としての争点を明確に行い、なおかつ反保守、反自民の旗色が鮮明になった。
 東京選挙区では本来反自民をいうはずの民主党が候補者の一本化に失敗し、民主党の公認候補では鈴木候補となったが、しかし、反原発などを主張した大河原候補は、無所属で立候補を行うばかりか、その無所属費公認候補を元首相である菅直人議員が応援すると言うことになった。しかし、この菅元首相、反原発派の間でも評判が悪く、過去に何度も行われている反原発デモに参加していても彼が演説するときだけはブーイングが怒ると言うものである。要するに反自民、民主党系候補の中で、民主党の公認候補としては鈴木候補、民主党との組織的つながりが強く反原発を主導している人は大河原候補と言うように得票が割れてしまった。
 その中で反自民、反原発、そして何よりもタレント候補としての著名人候補の特性とインターネットを活かした活動で山本太郎候補が浮き出た感じになった。まさに東京における反自民反原発の受け皿になってしまい、その上で、インターネット上のうわさでは、左翼過激派の組織などが後押ししたと言う形になっているのである。
 連日テレビ報道などによる選挙の報道から、このような注目候補、特に、その中におけるタレント性を重視した内容を多く見ることができる。しかし、その中において「悪名」であっても、そのような報道を行ってもらったほうがどれだけ良いか。そのことを今回「悪名」ばかりであったこの二人の候補が証明したのではないか。
 逆に、この二人の候補は、ある意味において「一過性の悪名」であり6年後にどのようになるかの保証はない。まさにこれからしっかりとした政治活動をしなければ、もともと悪名で議席を確保しただけに、非常に難しい状態になるのである。そして悪名に勝る著名性を出さなければ、または政策や政治活動で目立たなければ何もできないのではないか。
 そしてもうひとついえることは、「著名」だから当選するのではなく、そん「著名」を選挙時期に高めて利用できる候補が当選すると言うことになるのではないか。他の著名人候補との違いは、悪名であっても何であってもこの選挙時期に大きく取り上げられたことではないか。そしてそれが6年続くものではないと言うことをしっかりと彼らが考えるべきではないかと思う。また、そのような一過性のブームで投票を行ってよいのか。この投票結果はまさに民度の問題なのかもしれない。
 いずれにせよ、考えさせられる結果ではなかったか。

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