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今年の「北戴河会議」にみる中国共産党内部のトップ対立と中国内乱の予兆の「はじまりのはじまり」

今年の「北戴河会議」にみる中国共産党内部のトップ対立と中国内乱の予兆の「はじまりのはじまり」
 中国共産党の動きがおかしい。
  まあ、現在は北戴河会議という会議を行っている。「北戴河会議」とは、ウィキペディアによると下記のようになっている。
  <ウィキペディアより抜粋>
  かつては、中国要人も「北戴河」に避暑に集まり、その折秋の政局などを議論する習わしとなっていた。そのことからいわゆる「北戴河会議」は政治上の意味を持った。<中略>あるアメリカの外交官は北戴河のことを「smoke-filled room」(秘密会議用の部屋)と呼んでいた。ここで根回しされた政策は秋以降、公式の会議で正式に決定するため、外交官やチャイナ・ウォッチャーたちは北戴河での情報収集を重視していた。
 北戴河会議は文化大革命時に一旦なくなったが、鄧小平時代に復活した。しかし1980年代後半以降、避暑地での党務が批判的に見られるようになると、幹部が全員そろって北戴河に集まることはまれになり、やがて北戴河会議も幹部が個人的に会って話し合いをする小規模なものになって重要性は薄れていった。
 2003年か2004年には、胡錦濤中国共産党総書記が北戴河会議を一旦は廃止した。一つには、従来の儀礼や式典を廃止するなど党の質素なイメージ作りを進める胡錦濤や温家宝らの目的には、リゾートに集まっての会議はそぐわないこと、もう一つは、胡錦濤は非公式な会合よりも党や政府の正式な機構を通してリーダーシップを発揮しようとしていることがあげられる。その後、長老などの反対で復活。2012年8月にも第18回党大会を前に開催された。以後、習近平政権になってからは毎年開催されている。
  <以上ウィキペディアより抜粋>
  要するに、中国共産党の現役の党・政府幹部らと引退した党・政府幹部らが一同に会し、重要事項を話し合う会議だ。まあ、出雲大社に日本中の神々が集まって来年のことを決めるといっては不謹慎であろうか。イメージとしてそのような感じであると思っていただけるとありがたい。
  その会議の中において、今年から徐々に「権力を集中させる」習近平が「共産党独裁」から「習近平独裁」に向けた議題を出してきたというのである。そのことから、中国の共産党内部における権力争いがかなり激化しているというのである。
共産党ツートップがここまで対立することは近年珍しい 習近平vs李克強
 「南院と北院の争いに巻き込まれて大変だ」。7月中旬、久々に会った中国共産党の中堅幹部がこう漏らした。北京市中心部の政治の中枢、中南海地区には、南側に党中央の建物、北側に国務院(政府)の建物がある。党幹部らは最近、習近平総書記(国家主席)と李克強首相の経済政策などをめぐる対立について、冒頭のような隠語で表現しているという。
 国有企業を保護し、経済に対する共産党の主導を強化したい習氏と、規制緩和を進めて民間企業を育てたい李克強氏の間で、以前からすきま風が吹いていたが、最近になって対立が本格化したとの見方がある。
 江沢民氏の時代は首相の朱鎔基氏、胡錦濤氏の時代は首相の温家宝氏が経済運営を主導したように、トップの党総書記が党務と外交、首相が経済を担当する役割分担は以前からはっきりしていた。しかし最近、権力掌握を進めたい習近平氏が経済分野に積極的に介入するようになったことで、誰が経済政策を主導しているのか見えにくい状態になったという。
 党機関紙、人民日報が5月9日付で掲載したあるインタビュー記事が大きな波紋を呼んだ。「権威者」を名乗る匿名の人物が、「今年前期の景気は良好」とする李首相の見解を真っ向から否定し、「(このままなら)中国経済は『V字回復』も『U字回復』もなく『L字型』が続く」と主張し、痛烈に批判した。
 共産党最高指導部内で序列2位の李首相をここまで否定できるのは序列1位の習主席しかいないとの観測が広がり、「習主席本人がインタビューを受けたのではないか」との見方も一時浮上した。
 複数の共産党幹部に確認したところ、「権威者」は習主席の側近、劉鶴・党財経指導小組事務局長であることはのちに明らかになった。しかし、インタビューの内容は習氏の考えであることはいうまでもない。最近の株価の下落や景気低迷の原因は、李首相の経済運営の失敗によるものだと考えている習主席は、周辺に李首相への不満を頻繁に漏らしているという。
 習主席は7月8日、北京で「経済情勢についての専門家座談会」を主催した。経済学者らを集め、自らが提唱した新しいスローガン「サプライサイド(供給側)重視の構造改革」について談話を発表した。李首相はこの日、北京にいたが会議に参加しなかった。共産党幹部は「“李首相外し”はここまで来たのか」と驚いたという。
 その3日後の11日、今度は李首相が「経済情勢についての専門家・企業家座談会」というほとんど同じ名前の座談会を主催した。自らの持論である「規制緩和の重要性」などについて基調講演を行った。
 李首相周辺に近い党関係者によると、李首相は習主席に大きな不満を持っており、自分が主導する経済改革がうまくいっていないのは、習氏による介入が原因だと考えているという。
 共産党のツートップがここまで対立することは近年では珍しい。「天の声」が2つあることで、行政の現場で大きな混乱が生じているという。8月に河北省の避暑地で開かれる党の重要会議、北戴河会議で、党長老たちが2人の間に入り、経済政策の調整が行われるとみられ、行方が注目される。(北京 矢板明夫)
産経ニュース / 2016年7月30日 17時7分
http://news.infoseek.co.jp/article/sankein_sk220160730521/
 さて、今年の「北戴河会議」の議題は、次の三つと言われている。
  第1に、習近平主席の権力を更に集中させるかどうか
  第2に、「七上八下」のルール改正、要するに67歳定年制である。
  第3に、中国のトップである総書記兼国家主席の選出方法(隔世後継者選出)の変更
  の三点である。
  「習近平主席の権力を更に集中させる」、というのは、中国の政治局員25人の諮問をなくし、習近平が個人ですべて決済するということである。これは、重大事案を討議するには、一定の時間がかかり、そのために時代の変化に対応できないということが非常に大きく打ち出されている。しかし、そのことをしてしまえば、習近平の独裁になることは必至であり、毛沢東と同じになってしまう。そのうえ、核ミサイルのボタンを持っていたリ軍事の均衡を破ってもプライドやメンツを重視するようになってしまえば、当然に、南シナ海などにおいても戦争は不可避ということになってしまうのである。
  このときに、最も被害をこうむるのは「官僚」である。当然に、他の共産党幹部もいつ反腐敗で自分が処罰されるかわからないし、習近平という独裁者にみな頭が上がらなくなる。利権などもすべて習近平の手中に収まる。しかし、それ以上に問題になるのは、習近平が身勝手にやった政策や思い付きの外交の後始末を官僚が行わなければならなくなってしまう。つまり、「共産党青年団」と言われる中国の共産党内部の指導者集団が、最も実害をこうむることになってしまうのだ。その代表者である李克強首相などは、当然に強い抵抗をすることになる。
  「67歳定年制」に関しては、その李克強の抵抗が大きな焦点となる。党大会の時点で、67歳ならば、政治局に昇進・残留できる。だが、68歳以上の場合、政治局へ昇進できないし、同局から引退しなければならない。習近平主席は盟友の王岐山を政治局常務委員に残す事ができる。そして、習主席は、王岐山と共に「反腐敗運動」を継続させるか、あるいは、李克強首相を更迭し、王岐山を首相に就任させることが強く推測される。李克強は官職に追いやられ、そのうえで、いつ反腐敗でしょばつされるかわからないかのうせいをひめるので、習近平のやり方に対抗できなくなってしまうということになるのである。
  そのうえで「隔世後継者選出の変更」をするということは、習近平が後継者を指名するようになる。要するに、次世代もすべて習近平に媚びを売るということになるのである。要するに、次世代の人々も習近平に従わざるを得なくなる。まさに独裁が始まるということを意味するのだ。
  この前哨戦と言われることが、すでに、中国共産党内で起きている。
  上記記事から抜粋すれば、習主席は7月8日、北京で「経済情勢についての専門家座談会」を主催した。経済学者らを集め、自らが提唱した新しいスローガン「サプライサイド(供給側)重視の構造改革」について談話を発表した。李首相はこの日、北京にいたが会議に参加しなかった。共産党幹部は「“李首相外し”はここまで来たのか」と驚いたという。その3日後の11日、今度は李首相が「経済情勢についての専門家・企業家座談会」というほとんど同じ名前の座談会を主催した。自らの持論である「規制緩和の重要性」などについて基調講演を行った。<上記より抜粋>
  まさに、現在中国の共産党内部において、かなり大きな「戦争」が起きている。その行方によっては、上記のように「すぐに戦争」に発展する可能性もある。ドイツがワイマール憲法かにおいて民主主義を否定しヒトラーに授権法を作ることによって権力を集中させた。その結果と同じようになっている。ロシアと中国が国際社会から孤立化している姿は、大戦前のドイツと日本の姿に似ているのではないか。
  戦争は近くなった。その引き金が「北戴河会議」にあるのではないかという気がしてならない。

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