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東京都知事に初の女性小池百合子新都知事「大差」の勝利に思うこと

東京都知事に初の女性小池百合子新都知事「大差」の勝利に思うこと
 いやいや、まさか291万票も取るとは思わなかった。というのが正直な感想。300万票を超える得票となれば、石原慎太郎都知事とほぼ同じということになる。もちろん18歳19歳の有権者が増えたので、一概に単純比較をしてよいというものではないが、それでも圧倒的な勝利であるといってよい。
  私の予想では正直に20~30万票の差で、増田候補と競るかと思っていたが、ふたを開けてみれば、開票の始まる8時の段階で、いわゆる「ゼロ打ち」と言われる当選確実のテロップである。ちなみに「ゼロ打ち」とは、投票締め切りからゼロ分(ゼロ秒という説もあるが)と言われるほど、間髪を入れずに当確が打てるくらいの「圧倒的な勝利」のことを言うのである。
  実際に16の段階の出口調査で小池氏 47.8% 増田氏 27.7% 鳥越氏 19.8% となっていたのである。まあ、それから4時間で変わらないどころか、実際の開票の結果、小池氏44.49% 増田氏27.40% 鳥越氏20.59%である。そのままの推移で流れたというような感じではないか。
  最終的には、組織が組織というようなことを行ったのではなく、「勝ち馬に乗る」というような行動が雪崩現象的に起きたというようなことが言える。まあ、小池百合子新都知事の選挙戦が非常に巧みであったのと、ほかの候補の選挙がちょっと「弱かった」ということが言える。
  しかし、小池百合子新都知事は「刺客」とか、そういった「あまり組織に頼らない選挙」が非常にうまい。もちろん個人的な人気もあり、また元キャスターであることから話も上手である。しかし、それならば鳥越候補も同じであった。しかし、そもそも論として、小池陣営は「組織VS個人」という構図の作り方がうまい。兵庫の選挙区から東京の選挙区に郵政民営化の「刺客候補」として、小林興起議員の選挙区に入ってきたときも「今までの地元組織VS個人」という感じで、「弱い自分」「頑張っている自分」を演出する力に非常にうまくマッチしているのである。
  その内容が、今回、衆議院の一小選挙区ではなく、東京都全体でそのような形になったということが非常に特徴的なのではないかというような気がするのである。
  では、「残り二人」の組織票の人々は何をしていたのであろうか。
都知事に小池氏=女性初、増田・鳥越氏に大差【都知事選】
 舛添要一前知事の辞職に伴う東京都知事選が31日投開票され、無所属で新人の小池百合子元防衛相(64)が、増田寛也元総務相(64)=自民、公明、こころ推薦=、野党4党統一候補でジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)=民進、共産、社民、生活推薦=ら無所属や諸派の新人20人を破り、初当選を果たした。初の女性都知事として、混乱した都政の立て直しに取り組むとともに、2020年東京五輪・パラリンピックの開催準備を急ぐ。
 確定得票率は59.73%(前回46.14%)だった。
 小池氏は自民党前衆院議員で、同党の制止を振り切って出馬。政党や組織に頼らない「しがらみのなさ」を前面に打ち出し、増田、鳥越両氏との三つどもえの争いを制した。与党は10日の参院選で大勝した直後に水を差された格好だ。野党側は「保守分裂」の好機を生かせず、民進党では共闘路線の反対派が勢いを増す可能性がある。
 小池氏は豊島区内の事務所で、都議会との関係について「都民のために何をすべきなのかを最優先に考え、政策の実現のために連携を取りたい。ただ混乱というのではなく、都民優先で考えれば、おのずと答えが出てくる」と述べた。
 小池氏は選挙戦で、都議会最大会派の自民党との対決姿勢をアピール。舛添前知事の高額な海外出張費や公用車の私的利用などの公私混同問題に多くの批判が寄せられたことから、都政の透明化や行財政改革を訴えたほか、知事報酬の半減などを公約に掲げた。
 増田氏は、自民、公明両党の支援を受けた組織的な選挙戦を展開。官僚OBで岩手県知事も務めた豊富な行政経験を訴え、都政の信頼回復を呼び掛けたが、小池氏との保守分裂が集票に大きく影響した。
 鳥越氏は、都知事の立場で脱原発や憲法改正反対を訴える姿勢を強調。告示直前、支持層が重なる元日弁連会長の宇都宮健児氏(69)が出馬を取りやめ、候補一本化が実現したが、及ばなかった。
 今回の都知事選には過去最多の21人が立候補。選挙戦では舛添氏、その前任の猪瀬直樹氏と2代続けて都知事が政治とカネの問題で辞職したのを受け、知事の資質やクリーンさがテーマとなった。政策面では、待機児童の解消や東京五輪への対応などが論点となった。
◇東京都知事選当選者略歴
 小池 百合子氏(こいけ・ゆりこ)カイロ大文卒。ニュースキャスターなどを経て92年参院議員に初当選。93年衆院議員にくら替えし、環境相や防衛相を歴任。都知事選出馬に伴い連続8期目の衆院議員を失職。64歳。兵庫県出身。当選1回。 
時事通信 / 2016年8月1日 0時19分
http://news.infoseek.co.jp/article/160801jijiX055/
鳥越陣営、「池上特番」に出演せず 視聴者「聞く耳はどうした」【都知事選2016】
 2016年7月31日投開票の東京都知事選で、候補のジャーナリスト・鳥越俊太郎氏が、同日夜放送の池上彰さんの選挙特番に出演しなかったことがネット上で波紋を広げている。
 報道番組「池上彰のニッポンの大問題~都知事選スペシャル~」(テレビ東京)での一幕で、ツイッターでは「敵前逃亡かよ」「聞く耳はどうした」「逃げないで下さい」といった厳しい指摘が相次いだ。
「私の質問を受けない、ということのようですねぇ」
 候補者と繰り広げる1対1のインタビューが名物の池上特番。しかし、視聴者が期待していたジャーナリスト同士の掛け合いは実現しなかった。小池百合子・元防衛相に当選確実が出た20時過ぎ、鳥越事務所からの中継で、相内優香アナウンサーが「今交渉していますが、1対1の掛け合いはできないかもしれません」と険しい表情で伝えた。
 これに、スタジオの池上さんは「私の質問を受けない、ということのようですねぇ。うーん」と言葉をつまらせ、苦い表情。結局、番組終了まで鳥越氏本人を含め、鳥越陣営のインタビューは実現しなかった。鳥越事務所との中継は、このシーンしか放送されなかった。
 番組放送中、小池氏はインタビューに答えたほか、増田寛也・元総務相の陣営からは自民党の下村博文・総裁特別補佐が出演した。鳥越氏はテレビ朝日のニュースキャスターの経験もあり、現在、もっとも人気のあるテレビキャスターである池上氏との掛け合いに視聴者の注目も集まっていた。
 そのため、鳥越氏が池上さんとの掛け合いから「逃げた」と解釈する視聴者も多く、ツイッターに
「敵前逃亡かよ」
「聞く耳はどうした」
「逃げないで下さい」
と鳥越氏への強い批判が相次いだ。
2016年7月31日 21時49分 J-CASTニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/11831854/
 さて、増田候補も鳥越候補も、組織選挙を行っているのか、あるいは個人の「浮動票選挙」を行っているのか全く分からない選挙を行ってしまったという感じがしないでもない。いや、正確に言えば「組織票」を「組織の人」に任せてしまって、浮動票も取り切れず、結局中途半端な選挙を行ってしまった問う感じがしないでもない。組織そのものを頼るのであれば、徹底的に組織を回ればよいし、組織の動員を期待すればよい。浮動票を期待するのであれば、浮動票が気になる内容をしっかりと伝えればよい。そのことができていないということが最大の問題ではないか。
  そもそも論として、特に増田氏の場合は「組織」がすでに分裂しているということになっているのに、その組織固めができていないというような形になってしまっている。根本的に組織論の構築の方法を改めなければなるまい。自民党の東京都連の課題は大きいのではないか。
  さて、もう一つ言えるのが、何度もこのブログでは書いているが「相手の批判をして自分の票にはつながらない」ということである。特に今回のような「乱立選挙」では、その内容が如実に表れた。まあ、選挙が終わっているからそのまま言えば「厚化粧」などと批判、(増田・鳥越両陣営ともに言っていたが)すれば、それは、「相手の票が少なくなる」のではなく、今回の場合は「同情票」が多く小池に入った。批判に対して、東京都民は明確に「NO」を突き付けたということになる。
  特に問題は、鳥越俊太郎氏であろう。
  増田氏の場合は、「保守分裂」で負けたという言い方ができる。また、別な意味で「総理大臣」お「自民党幹事長」も応援に来なかった。完全に政党を背負うことができなかったといえる。しかし、保守、要するに「敵方」が分裂しているにもかかわらず、「革新票」を固めることができなかったということになる。単純に言えば、「分裂したわけでもなく自分の組織をまとめきれなかった」という結果である。単純に言えば「四党統一候補」が完全に「機能しなかった」ということである。
  単純に言って「革新の内ゲバ」が選挙中に始まった形になる。有権者は、そのような「革新勢力」を指示できるはずがない。選挙で選びそのうえ、政権を(都政とはいえ)取らせても、政策的一致も何も行うことができない。あっという間に弱小与党になってしまうということなのである。
  そもそも政策が違う4政党をまとめて一つの候補にするということ自体がおかしいわけで、政治の根本の部分からくるっているということに他ならないのである。
  そのうえ「都合の悪いことは無視する」という、つまり「選挙戦を語る」ことをしない。ということになる。はっきり言って、これほど有権者を馬鹿にした人はいない。候補のジャーナリスト・鳥越俊太郎氏が、同日夜放送の池上彰さんの選挙特番に出演しなかった。これにはツイッターでは「敵前逃亡かよ」「聞く耳はどうした」「逃げないで下さい」といった厳しい指摘が相次いだ。スタジオの池上さんは「私の質問を受けない、ということのようですねぇ。うーん」と言葉をつまらせ、苦い表情。結局、番組終了まで鳥越氏本人を含め、鳥越陣営のインタビューは実現しなかった。<上記より抜粋>
  まあ、「知る権利」とか「情報公開」とか。偉そうなことを言い、「説明責任」などと迫っていたジャーナリストがこれだ。はっきり言って、このような人間をテレビに出していたマスコミそのものが、信用を失墜した。そして、そのような「言行不一致」の人間を支持している今回鳥越に投票した人々の「良識」が問われることになるのではないか。
  いずれにせよ「革新系」は信用できないということが深く印象づいた都知事選挙であったということが言えるのではないか。

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コメント

既存政党への不満層が小池候補へ!

外交・安全保障政策などを考えた場合野党は全部だめ。
仕方なしに自民へ投票…

自民は経団連・業界団体、生産者-供給者側の政党。

消費者・生活者の味方にみえた政党(小池候補)に与党・野党への不満層が流れたのでないかと思う。

自民党との対抗軸は、外交・安全保障政策をほぼ踏襲したうえで、消費者・生活者・環境を優先する政策を掲げた集団ではないでしょうか?

食品の産地偽装など食い物の恨みは…

投稿: あお | 2016年8月 2日 (火) 15時47分

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