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なぜか日本ではほとんど報道されないTICAD・アジアアフリカ会議の深い意義

なぜか日本ではほとんど報道されないTICAD・アジアアフリカ会議の深い意義

 迷走台風10号の行方を追っているテレビばかりで、基本的にあまり報道されることがなかった。TICADに関して、その深い意義を今日は皆さんに紹介しようと思う。
  そもそもTICADとは何か。
 TICADとは,Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)の略であり,アフリカの開発をテーマとする国際会議です。1993年以降,日本政府が主導し,国連,国連開発計画(UNDP),アフリカ連合委員会(AUC)及び世界銀行と共同で開催しています。2013年6月には,横浜において5回目となるTICAD V(第五回アフリカ開発会議)を開催しました。<外務省ホームページよりhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ticad/
  とある。その背景には、やはり外務省のホームページから見ると
1 「質の高い成長」
 アフリカの開発課題に対処するには,経済成長を実現し,その恩恵が貧困層も含めて広く社会に行き渡るような,バランスのとれた安定的な成長を実現することが重要です。日本はこのような「質の高い成長」を後押しするために,日本企業の持つ高い技術によって「質の高いインフラ」の整備を促進します。
2 「人間の安全保障」(「アフリカの一人ひとりの能力強化」)
 アフリカの人々一人ひとりの能力強化を図り,能動的な社会づくり,国づくりへの参画を促すことは,アフリカの自律的な成長を力強く後押します。人間の安全保障の推進に向けた議論を主導してきた国家として,日本は,一人ひとりが輝くアフリカを目指し,様々な取組を進めてきています。アフリカに進出する日本企業も,アフリカの若者「一人ひとり」の育成に貢献しています。
<以上外務省ホームページより抜粋http://www.mofa.go.jp/mofaj/af/af1/page22_002578.html
 とある。まあ、この通りである。
  さて今回の第6回のTICADは日本が主催でありながら、日本ではなく、アフリカ、ケニアの首都ナイロビで行われたのである。
  さて主題で言ったように、なぜかこの内容に関しては、ほとんどニュースとして取り扱われない。日本はなぜか「政府が良いことをすると報道しない」という悪癖があり、そのために、この外務省の発表以上の意義などが全く分かっていないという感じがある。またテレビの影響力が大きいので、アフリカといえば、いまだに「ライオンキング」のような世界であると思っている人が少なくない。「等身大のアフリカ」をわかったうえで、アフリカと日本とそして「その平和的交易」の重要性を日本人が認識し、マスコミが正当な評価を報道するのはいつのことになるのであろうか。保守系と言われるところでも全く報道しないのであるから、このような話になってしまうのである。
  本当にわけのわからないマスコミが多すぎる。

TICAD ナイロビ宣言を採択し閉幕

 ケニアで開かれていたTICAD=アフリカ開発会議は、資源の輸出に依存してきたアフリカ経済の多角化を進めることが必要だなどとした「ナイロビ宣言」を採択して閉幕しました。安倍総理大臣は記者会見で、今回の合意内容を確実に実行し、官民を挙げてアフリカの発展を支援していく考えを強調しました。
 アフリカで初めて開かれたTICAD=アフリカ開発会議は、ケニアのナイロビで、アフリカ各国の首脳らが出席して2日間にわたって議論が行われ、日本時間の28日夜、成果を盛り込んだ「ナイロビ宣言」を採択して閉幕しました。
 「ナイロビ宣言」では、原油などの資源価格の下落がアフリカ諸国の財政悪化を招いているとして、資源輸出への依存を減らして経済の多角化を進めることや、エボラ出血熱の感染拡大が経済活動をまひさせたとして、医療・保健体制を強化すること、それに、テロを強く非難し、根絶に向けて社会を安定化させることなどが必要だとしています。
 また、宣言には、海洋進出を強める中国を念頭に国際法に基づいて海洋秩序を維持することや、日本の常任理事国入りを含む国連安保理改革を早急に進めることも盛り込まれています。
 安倍総理大臣は、共に議長を務めたケニアのケニヤッタ大統領らと共同記者会見に臨み、「日本は約束を守る国であり、1つ残らず実行する。こうした日本の貢献は経済の多角化と、発展の果実の分配による社会の安定化をもたらし、保健医療へのアクセス向上にもつながる。アフリカは世界の希望を担う大陸だ。さらに成長し、大きく変貌すると確信している」と述べ、官民を挙げてアフリカの発展を支援していく考えを強調しました。
 また、安倍総理大臣は、今回新たに打ち出した「自由で開かれたインド太平洋戦略」について、「法の支配の尊重は地域の平和と繁栄の基礎になっているという観点から、航行の自由や、法の支配の重要性を訴えてきた。これをアフリカまで広げ、アジアとアフリカが自由で開かれた海に結ばれ、法の支配が尊重される豊かで繁栄する地域としたいという考えを述べたものだ。特定の国を念頭に置いたものではない」と述べました。
 安倍総理大臣はケニヤッタ大統領と会談し夕食会に出席したあと、台風10号が本州に接近するおそれがあることから、帰国の予定を早め、日本時間の29日未明、ケニアを出発することにしています。
   「ナイロビ宣言」 3つの優先課題挙げる
 TICAD=アフリカ開発会議では、閉幕にあたり、議論の成果を盛り込んだ「ナイロビ宣言」を採択しました。
 この中では、「アフリカは今や世界で最も経済成長の速い国々の大部分を擁し、世界経済の重要なプレイヤーとして位置づけられる」としたうえで、今後の3つの優先課題を挙げています。
 1つ目は、経済の多角化です。宣言では、原油などの資源価格の下落がアフリカ諸国の財政悪化を招いているとしたうえで、資源輸出への依存を減らして、農業、製造業、観光業などの産業の成長を加速化させ、経済の多角化を進めることが必要だとしています。このため、雇用の創出や、技術・ノウハウの移転につながる質の高いインフラの投資を推進するとしています。
 2つ目は、医療・保健体制の強化です。エボラ出血熱の感染拡大は、経済活動をまひさせたとして、危機に備えて予防する能力を持つ必要があるとしています。そして、アフリカのすべての人々が、生涯を通じて母子保健や予防接種などのサービスを受けられる医療・保健体制の強化が必要だとして、WHO=世界保健機関や世界銀行と連携して資金の調達などを進めるとしています。
 3つ目は、イスラム過激派などによるテロへの対策です。あらゆる形態のテロを強く非難したうえで、テロリストの入国を阻止するための国境の管理など、アフリカのテロ対策能力の向上に向けて連携を強化するとしています。さらに、テロの根絶には、教育や職業訓練、雇用創出などにより、社会を安定化させることが必要だとしています。
 このほか、宣言では海洋進出を強める中国を念頭に、「国際法の原則に基づくルールを基礎とした海洋秩序を維持することの重要性を強調する」と盛り込んだほか、日本の常任理事国入りを含む国連安保理改革に関連し、「安保理を含む国連組織を早急に改革する決意を再確認する」としています。

NHK 8月28日 23時42分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160828/k10010657231000.html

【TICAD】中国、日本のアフリカ進出を警戒 資源安、地元の反感などで曲がり角

 【北京=西見由章】アフリカに強い影響力を持つ中国は、日本主導の第6回アフリカ開発会議(TICADVI)への警戒感をあらわにしている。国営新華社通信は28日、「日本は経済や政治の“雑念”と海外への軍事拡張の野心を隠せない」などと批判的な論評を配信。背景には中国のアフリカ戦略が多くの試練に直面する現実がありそうだ。
 新華社は、日本がアフリカ諸国の支持を得て「政治大国」のイメージをつくりだし、「(国連安全保障理事会)常任理事国入りのために人心を籠絡しようとしている」との専門家の見方を伝えた。リスク回避のための原油輸入ルートの多様化や、自衛隊が海外進出するためにアフリカを利用する可能性まで指摘した。
 中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報も専門家の寄稿で、TICADは中国が3年おきに実施している中国アフリカ協力フォーラムを“学習”していると主張し、「中国への対抗と発言権の掌握が目的ならば不愉快だ」と牽制(けんせい)した。
 中国とアフリカの貿易総額は2000年の100億ドルから14年は2220億ドルに増加。中国はアフリカの最大の貿易国だ。中国の習近平国家主席は昨年12月、南アフリカで開かれた同フォーラムで、今後3年間にインフラ整備などに600億ドル(約6兆円)を拠出すると発表。中国企業はケニアの首都ナイロビと南東部を結ぶ鉄道の建設を受注し、総工費の9割は中国輸出入銀行が特別融資する。
 ただ中国のアフリカ戦略は曲がり角を迎えている。巨額の支援と引き換えに資源確保を図っていた段階から、インフラや工業製品の輸出先へとシフトする中、中国経済の減速で資源価格が下落しアフリカ諸国の景気は低迷。中国企業の低賃金や中国人労働者の流入への不満も高まっている。
 
産経ニュース 20160828
http://www.sankei.com/world/news/160828/wor1608280031-n1.html

  少し前に出した本であるが、青林堂から上梓した「難民問題は、中国がしかけた陰謀だった!」(https://www.amazon.co.jp/%E9%9B%A3%E6%B0%91%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%AF%E3%80%81%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%8C%E3%81%97%E3%81%8B%E3%81%91%E3%81%9F%E9%99%B0%E8%AC%80%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%9F-%E5%AE%87%E7%94%B0%E5%B7%9D%E6%95%AC%E4%BB%8B/dp/4792605407/ref=sr_1_7?ie=UTF8&qid=1472608070&sr=8-7&keywords=%E5%AE%87%E7%94%B0%E5%B7%9D%E6%95%AC%E4%BB%8B)の第五章に「習近平中国の世界陰謀に翻弄されるイスラム社会」という章がある。この中に、
  「それだけでアフリカ大陸全土から中国のイベントに出席するようなことはない。要するに中国は「投資をすることによってアフリカとの関係を築いてきた」のである。このことは私個人の意見ではない。この軍事パレードに参加した各国首脳の写真を見た中国人の大学教授は「なんと金目当ての国ばかり集まって」とあきれていた。「あまり大きな声では言えないが、習近平政権は、金で買わないとどこからも信用されない。」というのである。まさに、金で買収しているのがアフリカであるといえる。
 実際に、胡錦濤の時代から中国はアフリカに非常に積極的な外交を仕掛けている。アフリカに投資する事業支援のために中国=アフリカ開発銀行を、総資金50億ドルで設立し、そこでできた商品の貿易に中国輸出信用保険公司を設立して中国企業がアフリカに進出するときに中国輸出入銀行と中国開発銀行からの低利融資獲得を可能にする制度を設けた。中国は、官民共同でアフリカの進出をしてきたのである。」
  <「難民問題は、中国がしかけた陰謀だった!」より抜粋>
  これに対してTICADでは、まず「国際法の原則に基づくルールを基礎とした海洋秩序を維持することの重要性を強調する」と盛り込み、そのうえでアフリカの経済対策に関して「量より質」の投資基準によって、「3兆円の投資」を行うことを表明したのだ。そのうえで「日本は約束を守る国であり、1つ残らず実行する。こうした日本の貢献は経済の多角化と、発展の果実の分配による社会の安定化をもたらし、保健医療へのアクセス向上にもつながる。アフリカは世界の希望を担う大陸だ。さらに成長し、大きく変貌すると確信している」<上記より抜粋>とあるように、「ことごとく中国を否定する」内容を今回打ち出した感がある。もちろん、「特定の国を指しているのではない」としているものの、聞いている側はそのような感じではあるまい。
  案の定、中国は、日本がアフリカ諸国の支持を得て「政治大国」のイメージをつくりだし、「(国連安全保障理事会)常任理事国入りのために人心を籠絡しようとしている」・TICADは中国が3年おきに実施している中国アフリカ協力フォーラムを“学習”していると主張し、「中国への対抗と発言権の掌握が目的ならば不愉快だ」と牽制<上記より抜粋>と、特に安倍首相がだれとは言っていないのにかかわらず、「自分から名乗り出てしまった」形になっている。
  そのように考えれば南シナ海で海洋の安全を脅かす埋め立てを行い、国際仲裁裁判所に従わず、なおかつインドネシアなどで新幹線の工事を請け負ってもすべてすっぽかしている中国は「身につまされるナイロビ宣言」となったであろう。
  一方、今回のポイントは、「自由で開かれたインド太平洋戦略」である。
  中国の一帯一路に対抗し、「環西インド洋経済圏」を作る構想は、日本としてはインド洋を「エネルギーと食料と資源の重要なシーレーン」としていることから重要な内容であるのと同時に、「公の海としての通行券と共同経済圏」の主張は「真珠の首飾り」と言われる中国進出の歯止めとなる内容である。すでにアフリカなどにおいて、日本の様々な食料品の輸入をしているのであり、その内容は非常に重要である。問題は、このようなことができるのか、テロにも負けず、中国にも負けず、この経済構想「共栄」がうまくゆくのかということが最大の問題になるのである。
  これ以上詳しくネットで書くのは、他の国にも知られてしまうので、あまりかくものではあるまい。まあ、講演会などで話をする可能性があるので、その時に来ていただけるとありがたい。まあ、「日本の本気」をそろそろ出さなければならないのではないか。

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                                                   by ぼくあずさオバマはTPPにより中国を締め出す戦略でスタートした。安倍首相はG7,G20およびバンドン会議での日本の影響力を強める戦略。”杭州G20 中国の大失敗”について後日私の見方をご紹介します。日本の”ナイロビでのバンドン会議”は中国の失策もあり成功。今後、アフリカ諸国の経済成長に日本は大い... [続きを読む]

受信: 2016年9月21日 (水) 17時42分

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