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もうすぐ「北戴河会議」というタイミングで出てきた「習近平周辺の腐敗スキャンダル」と「その隠蔽」と「会議の行方」

もうすぐ「北戴河会議」というタイミングで出てきた「習近平周辺の腐敗スキャンダル」と「その隠蔽」と「会議の行方」
 中国共産党の権力争いは、ある意味で13億人とも、それ以上ともいわれる中華人民共和故奥野頂点の争いであり、同時に、権力と富に象徴を入手する他人の蹴落としあう醜い争いであり、一方で、かなり様々な思惑のある最も中国らしい権謀術数と共産主義者らしい陰謀と内ゲバの集合体ということが言える。そのために、ある意味で注目していて非常に面白い。
  さて、中国という国家は、なかなか「本音と建て前」「裏と表」があり、そのうえ、「裏」が徐々に制度化荒れてしまうような歴史がある。今回の題名にある「北戴河会議」であっても、この会議は、中国共産党の指導者や長老らが毎年夏、河北省の海辺の避暑地、北戴河に集まって開く非公式の会議のことを言う。毛沢東時代から指導者らが家族連れで秘書のための別荘に滞在しながら今後の政策や人事などを話すとされている。中国共産党の最も基本政策を行うとされている非公式会議のことである。もともとは、毛沢東がこの河北省の避暑地である北戴河区に別荘を持っており、そこにその時の様々な人が来て、非公式に陳情を行ったり相談を行ったことから始まったものであり、日本流にいう「事前の根回し」というような感じである。だいたい、日本でも事前の根回しで本音を話したものの方が最新で突っ込んだ話ができるものであり、実質的に決まるといわれている。まあ、日本では、昔「銀座とゴルフ」といわれていて、正式な会議の場所ではすでに物事は決まっているというのと同じ状況である。
  中国の場合は、実際に、この非公式な北戴河会議が、徐々に制度化されてしまい、半ば公然とこの会議が行われるようになるのである。日本で言えば「銀座のクラブに会議室があり、そこで半ば正式な役員会がある」というようなものであろうか。
  もともとは、正式な会議で対立を招かないように、事前の根回しだったものが、それが半ば制度化されてしまうことによって、その会議の前に、「前哨戦」が起きるようになる。結局は、会議が二重三重になり、官僚が牛耳ってゆくような状況になるのであるが、中国居山東はまさにその悪循環に陥っている状況になっているのである。
  その「前哨戦」が、先日ブログで紹介した「孫政才の失脚」であるが、その後どうなったのであろうか。二つの記事が面白いことを教えてくれるのである。
「習氏最側近の親族に蓄財疑惑」報道後に一転撤回 香港
 香港の有力英字紙サウスチャイナ・モーニングポストが、中国の習近平(シーチンピン)国家主席の最側近の一人、栗戦書(リーチャンシュー)・共産党中央弁公庁主任(66)の親族による蓄財疑惑を報じた直後、一転して撤回した。同紙は、中国政府と親密とされる馬雲(ジャック・マー)氏が率いる中国ネット通販大手アリババグループに2015年に買収されたことが影響している可能性がある。
 記事は、栗氏の娘と同じ名前の人物の住所が、高級ホテル「ペニンシュラ」の運営企業の大株主である富豪(32)と一致しているとして、2人が密接な関係にあると示唆するもの。同紙のコラムニストの署名で、19日付の紙面に載った。栗氏は秋の党大会で最高指導部入りが有力視されており、蓄財疑惑は政治的な痛手となる可能性もある。
 同紙は20日、「検証できない内容が含まれていた」として謝罪し、電子版から削除した。中国の税関は19日付の同紙の持ち込みを禁じ、没収する措置をとっている。
 栗氏は、習氏の政務を補佐する党中央弁公庁トップで政権のキーパーソン。習氏とは若手官僚時代から深い関係だとされる。
 同紙は1903年創刊。知識層向けの英字紙として知られ、発行部数は約6万5千部(電子版の読者は約4万件)。(広州=益満雄一郎)
 
朝日新聞デジタル 20170720
http://www.asahi.com/articles/ASK7P54KYK7PUHBI01W.html
北戴河会議がまもなく開催 専門家「人事の激しい駆け引きがない」 
 中国共産党の現役最高指導部と引退した党長老らが毎年夏、避暑地の河北省北戴河に集まり、今後の政策や党内人事を決定する非公式会議、北戴河会議が間もなく開催されるとみられる。
 今秋、中国共産党第19回全国人民代表大会(19大)の開催を控えている。今回の北戴河会議で、19大の党指導部人事決定にどう影響するかが焦点だ。現職の7人の中央政治局常務委員の大半は、年齢などの理由で退任確実とされる。その後任と反腐敗運動の推進役である王岐山氏の去就が注目されている。
 中国人民解放軍機関紙「解放軍報」は11日、武装警察部隊が管轄する雲南省森林管理総隊で、退役を迎える一人の営(大隊)級幹部がすでに北戴河に療養に行ったと報じた。
 当局はこの報道を通じて、非公式の北戴河会議の開催が近いことを示唆した。
 英紙「フィナンシャルタイムズ」が6月下旬に掲載した記事では、今秋に定年退職を迎える中央政治局常務委員の後任をめぐって、習当局と江派長老らとの間で激しい駆け引きが行われるだろうと推測する。
 中国国内在住のフリージャーナリストの劉逸明氏はラジオ放送「希望の声」に対し、今回の北戴河会議で激しい対立がないとの見解を示した。「今の習近平氏は人事を主導的に行うことができる。参加者からアドバイスを聞く程度にとどまるだろう」。
 中国軍元高官の辛子陵氏は大紀元に対して、「習氏はすでに党内の主導権を完全に掌握したため、長老らによる『干渉』はもうない。19大後の中央政治局は習近平氏、李克強氏と王岐山氏を中心とする指導部となる。習陣営の栗戦書氏と汪洋氏も政治局常務委員に抜擢される可能性が高い」と話した。
 また、辛氏は19大前に習陣営と江派の間に最後となる対決があると指摘する。「江沢民と曽慶紅を失脚させ、法輪功迫害問題を解決しなければ、習近平氏には19大の閉幕後に多くの悔いが残るだろう」との見方を示した。
 一方、「解放軍報」の報道から、今年の北戴河会議に軍の大隊長のような一般幹部が集まっているなら、党最高指導部が参加しない可能性も否定できないという見方もある。
(翻訳編集・張哲)
大紀元 2017年07月14日 15時07分
http://www.epochtimes.jp/2017/07/27984.html
 さて、最初の記事に出ている「栗戦書」とは、習近平の弁公室室長、日本で言えば「秘書室長」であるといえる。まあ、中国の当然の話であれば、習近平に権力が集中すれば当然のごとくその秘書室長は「習近平に話をつなぐかどうか」を決める重要な役割になり、さまざまな付け届けや賄賂が入る立場にあるということができる。もちろん、やっていないなどというつもりはなく、そのことが表に出ただけのことであろう。
  少なくとも、今回、栗戦書の不正が明るみになり、その報道がすぐに消えたということは、そのまま「習近平のマスコミ統制・言論弾圧」がかなりうまくいっているということであり、同時に、「反腐敗を行う規律委員会もすべて掌握している」ということになる。もちろん、規律委員会のトップは王岐山であり、副委員長が先日紹介した李書磊であることを考えれば、完全に習近平が掌握している。同時に、その恣意的な規律委員会の運用に他が苦情を言えない程「他の人々も、クリーンな政治家はいない」ということであり、規律委員会に従わざるを得ない状況になっているといえる。要するに「規律委員会に反論を出すことのできない状況」を作り出し、そのうえで、敵を完全に葬り去るというような手法を行うことによって、本来は、不正をただす側が不正に塗れるというような状況になり、そのことが、「権力の象徴になってしまう」ということになる。そして、その権力の象徴にだれも建前上逆らえない状況にあり、その逆らえない状況の中で、習近平の政敵がいなくなり、独裁化が進むということになる。
  このことによって、「習氏はすでに党内の主導権を完全に掌握したため、長老らによる『干渉』はもうない。19大後の中央政治局は習近平氏、李克強氏と王岐山氏を中心とする指導部となる。習陣営の栗戦書氏と汪洋氏も政治局常務委員に抜擢される可能性が高い」<上記より抜粋>というような状況になり、江沢民・曽慶紅は、基本的には失脚するというようなシナリオになる。
  さて、問題はその後であろう。そのまま秋の全人代にはなるが、しかし、それは「共産党幹部の一部の人々の権力争い」でしかなく、習近平の政治に不満のある人民は少なくない。当然に「合議制」「共和制」で行ってきた政治を、習近平の独裁体制にする問うことは、そのまま、他の派閥の配下全てを敵に回すことになり、習近平独資亜が明らかになった時点で、そのほかの派閥の人bとが、本意ではないにしても従うものと、反発するものが出てくることになる。その反発するものが結集すると、内乱や革命ということが出てくることになり、中国は不安定な状態になる。習近平がそれを治めることができるかどうかが焦点ということになるのではないか。
  特に軍隊を掌握しれているか、特に「佐官クラスの中間管理職・実践指揮官」を把握していない場合は、かなり危ないということになろう。他国を攻撃するための軍隊の構造がそのまますべて北京の習近平とその近衛軍(北京軍区)に向かってくることになるのである。それを事前または軍の反乱になっても防ぐことができるのか。
  混乱になれば日本も大きな被害になる。とはいえ、独裁国家ができても日本は危うい。日本はその場合どうするのか。そのことも考えなければならないのではないか。その意味で会議や権力闘争の行方は注目の必要があるのだ。

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