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千島列島と北方領土の軍事要塞化を推進するロシアの太平洋戦略と日本に対する態度

千島列島と北方領土の軍事要塞化を推進するロシアの太平洋戦略と日本に対する態度
 千島列島は、カムチャッカ半島から北海道に向かって連なる列島である。北方領土の先といった方がわかる人もいるかもしれない。この島があるためにオホーツク海と、ベーリング海と、北太平洋が繋がる列島ということになる。
  この千島列島が最近かなり注目されている。もちろん、日本では「北方領土」という琴でかなり注目しているが、さすがのロシア人も、もともと「農業をするだけの土地がない」「寒さで冬過ごすことができない」「海が荒れてしまうか流氷でおおわれて身動きが取れない」などの理由で、この千島列島は、あまり注目がされていなかったのである。もちろん、それ以前にも人は住んでいたし、日本軍は第二次世界大戦当時、この千島列島にも軍を入れていた。日ソ不可侵条約があったが、それでもアメリカがアラスカからアッツ島などを経由して北を攻めてくる可能性があるとしていた。そのために、カムチャッカ半島の前の占守島と、中間の松輪島の二か所と北方領土に軍を置いていたのである。
  この占守島に、昭和20年8月15日より後ろになって、ソ連軍が攻めてくる。そのうえ、日本帝国軍は、軍を解散していたにもかかわらず(玉音放送とともに、軍装を解除していた)、そのソ連軍を完全に撃退しているのである。しかし、戦闘命令が北海道の司令官からくることがなく、降伏するように命令されて、降伏することになったのである。
  その後の悲劇は樺太の郵便局の女子局員の話などと同じ出るし、捕虜となった日本の軍人はシベリアに抑留されて多くが犠牲になっているのである。
  さて、逆に言えば、軍の命令がない日本の軍隊が、つまり組織的に動いているわけでもない日本の軍隊が、大挙して5倍以上の兵員を連れてくるソ連軍に対して、勝ててしまうその島に、今度はロシアが多くに軍を入れ、基地を建設しているというのである。
  今まで歴史的に無視していた島に、何があるのであろうか。その点に関して解説してみたい。
千島列島を軍事要塞化?ロシアが新たに海軍基地を建設
<千島列島でロシア海軍の基地建設計画が進んでいる。アジア太平洋地域の情勢緊迫化に対応して、ロシアのプレゼンスを高めるためだ>
 日本が返還を求めている北方領土を含む千島列島(ロシア語でクリル諸島)で、ロシア海軍が新たに基地建設の計画を進めていることが明らかになった。
 ロシア上院国防委員会のフランツ・クリンツェビッチ副委員長は今週26日、ロシアのインタファクス通信に「(建設は)決定事項だ。実現化のステージにある」と語った。さらに今後は基地の構造に関する「組織上の問題」が残っていることも語った。
 千島列島はロシア東部のカムチャツカ半島から日本の北海道東部沿岸まで連なる島々。その南端の四島(択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島)はロシアが実効支配しているが、日本が返還を求めている北方領土だ。
 クリンツェビッチは、北方領土に関して日本とロシアの交渉が行き詰まっていることを考慮し、千島列島のどの島で基地が建設されるかという重要な点は明言しなかった。
 北方領土は第2次大戦の末期、日本がポツダム宣言を受諾した後に旧ソ連の赤軍によって占拠された。住民は即座に退去させられ、日本の返還要求にもかかわらず現在までロシアの実効支配が続いている。
 このため日本とロシアはいまだに平和条約を締結していないが、プーチン大統領と安倍晋三首相はともに条約締結に向けて交渉を進める意欲を示している。
   国後、択捉にも軍事施設
 両国間では表向き友好的に交渉が続いているようだが、その実ロシアは千島列島での軍事力を誇示している。今年8月にも千島列島で2500人規模の兵力が参加する軍事演習が実施されたが、将来はこれと同規模の部隊が駐留するものと見られている。
 ロシア国防省は昨年、同省運営のテレビ放送「ズベズダ」を通じ、千島列島中部のマトゥア島で港湾施設を改修するほか、使われなくなった滑走路の再整備など軍事インフラを強化する可能性を探っていることを明らかにした。
 またショイグ国防相は2015年、ロシア軍が「択捉島と国後島で軍事施設の建設を活発に行っている」と語った。しかしロシア海軍の太平洋地域の拠点は依然としてロシア本土のウラジオストクに残されている。
 近年、北朝鮮の核開発危機や中国の南シナ海進出をめぐる周辺国との緊張が高まる中で、ロシアも太平洋沿岸国としてアジア情勢に関与する姿勢を打ち出しつつある。
 今月ロシアはインドとの陸海空の3軍合同演習「インドラ2017」を初めて実施したほか、ロシア海軍の対潜駆逐艦2隻を4カ月間の太平洋の航海演習に派遣して、アジア地域での軍事力を誇示している。
ダミアン・シャルコフ
ニューズウィーク日本版 20171029
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/10/post-8768.php
 三つの問題がある。
  一つは「北極海航路」であろう。北極海航路というのは、夏の間北極海の氷が少なくなることによって、ヨーロッパから太平洋まで、今まではスエズ運河やパナマ運河を越えなければならなかったものを、短時間単距離で輸送が可能になるということになる。もちろん、北極海周辺の地下資源や海洋資源も少なくないということを考えれば、その「積出港」や「ハブ港」がどこになるかということが重要になる。もちろん、ロシアから考えれば、大きな港が必要であり、その港は「軍港」としても大きな役割を持つことになる。単純に、中国も太平洋を狙っているという状況の中においては、ロシアも太平洋ににらみを利かさなければならないということになるのだ。
  特に北極海航路のハブ港ということになれば、当然に、その港における貨物の積み出しなども必要であるし、また船用のドッグや燃料の補給基地なども必要になるのである。その意味において、千島列島で大丈夫かどうかは別にして、少なくとも「シーレーン防衛」では軍の基地が必要になるのである。
  ちなみに、オホーツク海は、ロシアの大陸、カムチャッカ半島、千島列島で囲まれていために、基本的には「ロシアの内海」ということになる。その外をシーレーンにするか、オホーツク海の中を通すかによってかなり意味合いが変わってくるのである。
  さてあと二つの理由を書いておこう。もう一つは上記にも書いたが「中国とアメリカ」である。中国とロシアは仲が悪い。そのために、中国が太平洋に出るとロシアも出なければならない。中国はカムチャッカ半島と、シベリアを狙っている。そのことから「太平洋経由でロシアに入ってくる」と意ことも十分に考えなければならない。その意味で言うと海からの防衛の「防衛線」こそが千島列島なのである。そのように考えれば、防衛線なのだから、そこに軍事基地があってもおかしくはないのである。
  そして三番目の理由が「朝鮮半島有事」なのである。「遠く離れているのに」ということを言う人もいるので、あえて言っておくと、「ボートピープル」という「難民」たいさくである。実はロシアは、「韓国や北朝鮮からの難民を一時的に北方領土及び、千島列島に隔離」するということを考えている。陸続きだとモスクワまで歩いてくると困るので、島に隔離して船を持たせないという方法をとるのである。その時に「脱走者」を排除し、管理するためには、軍が必要である。そのための軍の基地を今から作るということになっているのである。
  さて、この問題を書いたのは、雉にもあるように北方領土だ。はっきり言って、あまり帰ってきそうにはない。では、どうしたら?
  その辺は別な機会に。

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