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マスコミ批判に関する一考(373) NHK受信料訴訟についての一考察

マスコミ批判に関する一考(373) NHK受信料訴訟についての一考察
 マスコミ批判の中において扱うことなのか、通常の内容で扱うことなのかはなかなか難しいところであろといえる。しかし、まあ、一応NHKのことであるから、この連載で書いておくことにしたい。
  12月6日、NHKの受信料契約が、日本国憲法に保障する契約の自由にはするかどうかが争われた裁判の上告審が最高裁大法廷で行われた。大法廷は、これは「合憲」と判断した。
  さてこの裁判の焦点は、「NHKの受信契約はいつ成立するのか」ということになる。NHKは、「テレビ設置時点で自動的に契約が成立する」ということを主要していたのである。これに対して、裁判所は「裁判の判決が出た時点」であるとして、契約の成立はテレビの購入や設置などには限らないということをしたのである。まさに「テレビを購入した」ことによる取引約款的な自動契約は成立しないということになる。
  このことは、NHKは常に、裁判によらなければ受信料契約が成立しないということになる。これは単純に、「NHKを見ていないことを裁判上で証明できれば契約が成立しない」という余地が残ったことになる。
  単純にテレビがあること、そのものがNHKを見ているということにはならない。しかし、一方で「見ることのできる権利を付与された」ということは間違いがないことであり、その見ることの権利の付与に対して、その権利の料金を払うということは、ある程度正しいのかもしれない。一方で、一切テレビの受信装置がないとか、あるいは監視カメラの映像用であるなど、さまざまな状態があり、そのために、テレビそのものがあっても潤田ないということは十分に考えられる。そのために、そのような証明ができた場合は、契約が成立していないことになる。権利の付与に対して「見ない」という選択をしているのが誰なのか問うことになるのではないか。
  一方、それは「受信契約の成立」ということになる。
  この裁判にはもう一つの意味があったはずだが、その内容は全く語られていない。裁判の戦い方が「契約の自由」で戦ってしまったのでそのようになってしまったのであり、本来は、「思想の自由」における「偏った思想の押し付け」であるから払う義務がないというような戦い方をしてほしかった。そうすればもうすこし「もう一つの争点」に近づけたのではないか。
NHK受信料:制度は「合憲」 最高裁が初判断
 NHKの受信料制度が憲法が保障する「契約の自由」に反するかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は6日、制度を「合憲」とする初判断を示した。国民が公平に財源を負担してNHKを支える制度の合理性を司法が認めた形となる。今後の公共放送のあり方を巡る議論や、約900万世帯に上る未契約者からの受信料徴収にも影響を与えそうだ。
 今回の裁判は2006年にテレビを設置した後、「偏った放送内容に不満がある」と受信契約を拒んでいた東京都内の60代男性を相手取り、NHKが契約締結や未払い分の支払いを求めて11年に提訴。NHKはこれまで未契約者に対する同種訴訟を約300件起こしているが、最高裁が判決を出すのは今回が初めて。
 放送法64条は、テレビなどの放送受信設備を設置した世帯や事業所は「NHKと受信契約をしなければいけない」と規定する。この規定を巡り、男性側は「罰則はなく、努力義務に過ぎない。契約を強制する規定だとすれば憲法に違反する」と主張。NHK側は「放送法が定める『豊かで良い放送』をするために受信料制度は不可欠で、合理性や必要性がある」などと反論していた。
 1、2審は、契約は義務と認めた上で受信料制度は「公共の福祉に適合し必要性が認められる」と合憲判断。男性に未払い分約20万円の支払いを命じた。双方の上告を受け、最高裁は昨年11月、15人の裁判官全員で憲法判断や重要な争点の判断を行う大法廷に審理を回付していた。【伊藤直孝】
 
毎日新聞 20171206
https://mainichi.jp/articles/20171206/k00/00e/040/327000c
 さてもう一つの争点とはないか。
  2006年にテレビを設置した後、「偏った放送内容に不満がある」と受信契約を拒んでいた<上記より抜粋>
  つまり、受信料が「偏った放送内容」に使われたことに対する不満ということになる。つまり、契約に関しては「番組の制作」に使われたものであり、その番組制作は、契約者の意志に従わない内容でよいのかということになる。つまり、契約者の総意によって番組は作られるべきであるのに対して、NHKは、「偏った放送内容」を作って流しており、「そのような番組は見たくない」ということになるのである。もちろん、契約の自由ということになれば、「偏った放送である」問うことを知っている時点で「受信」してしまっているということになり、受信権利の行使をしてしまっているのである。これに対して、「受信料の使用方法が納得できない」ということになれば、当然に、違った内容になるのではないか。つまり、「NHK受信料の使用方法は白紙委任なのか、あるいは契約者にその使用方法や放送内容に対する抗議の権利がありなおかつその統計などに関して契約者の公開されているのか」ということが重要な内容になるはずである。
  逆に言えば、このような裁判が起こされてしまうくらい、偏った放送内容であり、放送法が憲法に合憲であるならば、その中の「公平性の原則」が、NHKの放送内容に尽くされていないことは、間違いなく、問題視されるべきものである。そのように考えた場合は、この判決とは異なった内容になるべきではないか。
  さて、本件に関して、受信料に理解を求めるといっているが、「受信料」ではなく、そもそもは、「放送内容の公平性の問題」であるはずであり、NHKもその内容に関してしっかりと追及されるべきである。この裁判は、その点で、「論点をずらした裁判」ということになるのではないか。
  今後、最高裁判所でこのような判例が出たので、なかなか難しいかもしれないが、政治的には今後放送法を含めその履行状況を再度点検する必要があるということになるのではないか。

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