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アメリカからの潜入スパイの扱いが異なる中国と北朝鮮の今後の命運とその仕掛けを行ったポンペオ国務長官の狡猾

アメリカからの潜入スパイの扱いが異なる中国と北朝鮮の今後の命運とその仕掛けを行ったポンペオ国務長官の狡猾
 アメリカと北朝鮮の外交、それも中国を「罠にはめる」という為の外交、工作の手腕があまり飲み見事でもう笑うしかないような状態だ。ついでに言えば、そのことが全く分からない日本のマスコミや解説者という人々にも、呆れて何かを言おうという気力さえ奪われてしまう。
  先日、まあ、雑誌にその内容は書くのであるが、某外国の要人に話を聞くことができた。その中において「日本の外交は、数年前、場合によっては数十年前の情報と知識しかなく、その上、手段は土下座をして金を払うという方法しか知らないのではないか。あまりにも稚拙で、アドバイスの方法もないのと同時に、そのような稚拙でワンパターンの外交しかないのに、この日本という国の信用と財力は、結局侮ることができない」といわれたのである。
  まあ、実際にそのように指摘されると、反論することができないくらい日本の外交は、稚拙でどうにもならないところばかりである。その外交と土下座外交の時の金がすべて税金で賄われていると思うと、この指摘はある程度納得するものであるし、また、外国の人がそれをわかっていながら、日本国民が全くそのことに気づいていないということに改めて驚かされる思いである。
  さて、ではすごい手腕の外交というのはいったいどういうものなのであろうか。そのお手本というような外交がアメリカと北朝鮮の間で繰り広げられた。改めて、北朝鮮の指導部とそれを採用している金正恩という指導者に対して、認めたくはないが驚かざるを得ない状況である。
  アメリカのポンペオ国務大臣の交渉によって、アメリカのスパイで北朝鮮に監禁拘束されていたスパイ三人が、まったく代償なしで解放されたのだ。これだけならば美談なのか、あるいは、北朝鮮がアメリカとの関係を見直したのか、または、アメリカの力に恐れをなしたのか、というような解説ばかりなのが面白い。しかし、その本心は全く異なるところにあることが明らかではないのか。
「何も支払わず人質解放」トランプ氏、米朝会談にも自信
 トランプ米大統領は10日夜(日本時間11日午前)、米中西部インディアナ州エルクハートで演説し、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との首脳会談について、「6月12日にシンガポールで金正恩氏と会う」と語った。「全世界のために、平和で安全な未来について議論する」とも述べ、史上初となる米朝首脳会談の開催に意欲を示した。
 トランプ氏は数千人が詰めかけた会場で演説し、「(北朝鮮との)関係は良好だ。うまくいけば、我々にとって、世界にとって、とても良いことが起きるだろう。大きな成功になると思う」と述べ、朝鮮半島の非核化に向けて、北朝鮮との交渉に自信を見せた。
 また、北朝鮮に拘束されていた米国人3人が10日未明に帰国したことに触れ、「オバマ前大統領は人質のため18億ドル(約1900億円)も支払った。昨晩見たように、3人の人質が敬意をもって解放されたが、我々は何も支払わなかった。首脳会談もセットされた。世界のために、北朝鮮、韓国、日本、中国のために、我々は大いなる取引(ディール)を行う」と自身の交渉の成果を誇ると、観衆から大きな歓声が湧き起こった。
朝日新聞デジタル 20180512
https://www.asahi.com/articles/ASL5C2Q0TL5CUHBI007.html
中国、CIA協力者12人以上殺害か 二重スパイ疑惑も
 米紙ニューヨーク・タイムズは20日、中国当局が2010年末以降に米中央情報局(CIA)の協力者を計画的に殺害・投獄していたと報じた。殺害された数は2年間で12人以上になり、米国の対中諜報(ちょうほう)網が壊滅状態になったとしている。
 タイムズ紙によると、米政府の元職員や元高官らが証言した。殺害や投獄は10年から12年にかけて続発し、そのうち1人は政府ビルの中庭で同僚の目の前で射殺されたという。「CIAのために働くなという周りへのメッセージだ」としている。投獄されたスパイを含めると18~20人に上るという。
 対中国の諜報活動はCIAの最重要事項の一つ。元職員によると、北京の政府機関などに協力者を開拓しており、10年ごろまでは質の高い内部情報が取れていた。中には中国政府の汚職に嫌気がさし協力者になった中国人もいたという。しかし同年末になると情報が次第に入らなくなり、有力な情報源がいなくなったことを確認した。
 CIA内部に二重スパイがいるとの疑惑が浮上し、CIAと連邦捜査局(FBI)が共同調査を始め、北京の米大使館のほぼすべての職員が調べられた。元工作員が疑われたが、証拠が十分でなく逮捕に至らなかった。またスパイとの連絡に使う秘密システムの暗号を中国に解読されていた可能性もあるとしている。(ワシントン=香取啓介)
朝日新聞 2017年5月22日11時09分
https://www.asahi.com/articles/ASK5Q1C1SK5PUHBI026.html
 さて、あえて昨年の五月の記事を出した。ニューヨークタイムズが2017年、つまり昨年尾5月20日に発表したもので、中国当局は、CIAの協力者やスパイを18~20名拘束しているというものである。また殺害されたスパイや協力者は12人以上になるという。さて、当然に拘束された中国のスパイが現在戻ってきているわけではないし、また、殺害された協力者が生き返るものではない。中国の対応は、今回のことがあっても全く変わらない状態である。
  これに対して、片方で大連で習近平と会談をしている北朝鮮は、その帰国後すぐにポンペオ国務大臣と会って代償内でスパイを開放した。この中国と北朝鮮の差はいったい何なのかを考えればよい。
  つまり、北朝鮮とアメリカが、「対中国包囲網」の同盟関係になったということになるのではないか。そして、そのことにアメリカの世論を反中国に反転させ、それまで北朝鮮に向けられていた「世界の敵」というイメージの敵対感情を中国に一気に向けることのできる内容ではないのか。
  北朝鮮との関係で融和が徐々に示されている中において、一方で、中国との関係は、鉄鋼関税、知的財産違反懲罰的関税、南シナ海への圧力、航行の自由作戦、台湾旅行法の制定とアメリカ向寒の公式台湾訪問、一つの中国の否定、対インド対オーストラリア連携の強化、イギリスフランスによるインド洋海域の演習、日米共同演習、韓国THAAD配備、そのほかにも様々あるが、そのような「対中国圧力」がしっかりと出されているのではないか。その矛先が、本リアは北朝鮮位に向けられているものであったはずなのに、いつのまにか中国が全面で引き受け、そして、北朝鮮とアメリカは融和しているという状態なのである。
  そしてそれを決定的にしたのが、今回の北朝鮮のスパイ解放であろう。そのように考えた場合、この外交的な意味は非常に大きく、アメリカの標的が北朝鮮から中国に「ピポットターン」したということになるのではないか。
  この結果は、まだわからない6月12日のシンガポール米朝首脳会談ということが一つの大きな分水嶺になる。そのためにもよく外交に注目しなければならない。。

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