« マスコミ批判に関する一考(419) 外交機密を離させようといて答えないと批判するマスコミの「外交音痴」と「亡国の自由」 | トップページ | ファーウェイCFO逮捕と米中貿易戦争で中国を気にしている日本でも排除を行うようになったという外交の強気 »

水道法改正と民主党政権時の「コンクリートから人へ」という誤った民意誘導の無責任

水道法改正と民主党政権時の「コンクリートから人へ」という誤った民意誘導の無責任
 水道法改正、もっと簡単に言うと、水道の民営化可能な法律改正が話題になっている。今回の臨時国会で成立したものであり、水道水が危ないなどということをネット内で言っている人は少なくない。もちろん、インフラの部分は「もしもうまくいかなくなったら生活が困る」ということであり、その内容に関しては神経質になっても仕方がないということになる。
  さてそもそもこの法律は2011年民主党政権が「改正PFI法」という法律を作ったことにある。民主党政権は当時「業務仕分け」なることを行い、公的な事業の民営化または廃止を行っていたのである。PFIについては、内閣府のホームページによって次のように定義されている。
  <以下内閣府ホームページより抜粋>
・ 「PFI(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う新しい手法です。
・ 民間の資金、経営能力、技術的能力を活用することにより、国や地方公共団体等が直接実施するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供できる事業について、PFI手法で実施します。
・ PFIの導入により、国や地方公共団体の事業コストの削減、より質の高い公共サービスの提供を目指します。
・ 我が国では、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)が平成11年7月に制定され、平成12年3月にPFIの理念とその実現のための方法を示す「基本方針」が、民間資金等活用事業推進委員会(PFI推進委員会)の議を経て、内閣総理大臣によって策定され、PFI事業の枠組みが設けられました。
<以上内閣府ホームページより抜粋・https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/aboutpfi/aboutpfi_index.html>
 このPFI事業を水道局に広げただけである。
【日本の解き方】元になったのは民主党政権下の法律なのに… 改正水道法に反対した“変節漢”にあきれる
 臨時国会で成立した水道法の改正については、以前も本コラムで取り上げたが、いまだに「海外ではトラブルが相次いでいる」など危惧する声が出ている。
 事業体を経営形態で分類する場合、(1)直轄公営(2)公営委託(3)民営委託(4)民間会社-の4つがある。日本の上水道をみると、7000ほどの事業があり、そのほとんどは、(1)直轄公営である。ただし面白いことに(4)の民間会社も皆無ではなく、9件ある。
 一般的に「民営化」とは(4)のことを指す。(2)は特殊会社化、そして(3)が「官民連携」である。
 今回、成立した水道法改正は、(4)ではなく(3)の民営委託ができるようになった、といえば話が理解しやすいのだが、これも正確ではない。実は民営委託については、既に民主党政権下の2011年に成立した「改正PFI法」によってできるようになっていたのだ。
 今回の改正水道法は、この流れにあり、11年の改正PFI法に基づく民営委託についてのマイナー修正なのである。
 ただ、11年に成立した法律では、民間に委託する地方自治体が水道事業免許を返上せざるを得なくなるため、万が一のことが起きたときに行政が対応できなくなる恐れがあるとして問題視されていた。
 たとえるなら、自分で自動車の運転ができる社長が、お抱え運転手を雇ったら運転免許を返上しなければならない、というようなものだ。たとえ普段は運転しなくとも、万が一自分で運転せねばならぬ時のために、免許証はあったほうがいいだろう。
 今回の法改正はそういう意味合いのもの、つまり、11年法で認められた(3)民営委託をやりやすくするためのものだ。
 いずれにしても、日本では、7000の事業のうちほとんどは(1)直轄公営である。さて、欧州ではどうなのか。例えば、ドイツの事業数は6000程度あり、内訳は(2)公営委託3900(3)民営委託2100程度となっている。欧州の中でも、英国やチェコを除いて(4)民間会社はあまりないようだ。
 海外で再公営化の事例があるといっても、(3)が(2)になるもので、日本のように(1)直轄公営ではない。例えばドイツの再公営化は8例あるが、その比率はごく低く、騒ぎすぎだと言わざるをえない。また、反対派はパリの再国営化についても主張するが、これも(3)だったのが、(1)ではなく(2)に戻ったという例だ。
 今回の水道法改正は、11年改正PFI法よりほんの少しだけ、地方の首長が決断を下す際に役に立つものとなった。繰り返すが、そもそも民営化ではなく、官民委託の議論であり、官民委託が問題だというのならば、民主党政権下での11年改正PFI法の時に議論すべきだったのだ。
 当時、法案に賛成したのはもちろん民主党の議員である。今回の水道法改正に反対した立憲民主党、国民民主党、無所属議員の中には「元民主党議員」がたくさんいるが、そうした人たちの変節には本当にあきれてしまう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
zakzak 20181214
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181214/soc1812140001-n1.html
 さて、水道事業者というのは、上記の記事によれば、日本には7000の事業者がある。実際に、私が小さい頃よく言っていた伊豆の民家などは、民間の電力によって井戸水をくみ上げていたのであり、水道代というのは存在しなかった。また別荘地などは山奥に固まってあるのであり、水道などを設置しても採算性が合わないので、別荘のディベロッパー会社が自分で水道管を設置するなどのことがある。しかし、バブル時代のそのような水道の民営化が、現在にいなって40年・50年経過しており、水道管のメンテンナスなどを含めてそろそろ必要な時期であるが、残念ながら、バブル時代のディベロッパーでそこまでの余裕のある人々はあまりいないようである。
  また、水道工事をしている人々も、実際に、7000もの事業者があるが、それが各市町村の水道局の予算で行っているのである。そこで、雇用の維持や水道管の新規施設などができるのかというのは非常に大きな問題である。
  そもそも、水に関しては「水源」「浄水」「水道管施設」「水道管メンテナンス」「排水」「下水処理」というように分化して考えるべきであり、そのどの部分が重要であるのかということを考えないということになるのである。そのうえで、今回の法律改正は「水道を各市町村首長が官民委託できるようになった」ということでしかなく、民間事業者が水源地管理から下水まで全てを行うというものではないし、そのことを始めたのは民主党政権である。
  安倍首相というのは、本当に民主党政権の3年半の後始末だけで6年間も浪費してしまっている。もちろんそんなに期間がかかるということは安倍首相に能力がないという評価もできるが、一方で民主党政権がそれだけ「大きく日本を壊してしまった」ということになる。まさに「コンクリートから人へ」というスローガンが、今回の水道事業の民営化を行い、居間から7年前までに、水道管の敷設を変えたりメンテナンスをするといううようなことを怠ってきた付けが、このようになって出てきてしまっているのである。
  当時、法案に賛成したのはもちろん民主党の議員である。今回の水道法改正に反対した立憲民主党、国民民主党、無所属議員の中には「元民主党議員」がたくさんいるが、そうした人たちの変節には本当にあきれてしまう。<上記より抜粋>
  まさに、「コンクリートから人へ」「事業仕分け」などといっていた人々が、その後始末をしている人に文句を言うという。お祭り騒ぎで汚した人がそのあとの掃除人に文句を言っているような構図を、なぜ日本人は許せているのか。次の選挙では、野党の皆さんの人々のポスターには、是非「コンクリートから人へ」と書いて、この実績の責任を感じてもらいたいものである。

|

« マスコミ批判に関する一考(419) 外交機密を離させようといて答えないと批判するマスコミの「外交音痴」と「亡国の自由」 | トップページ | ファーウェイCFO逮捕と米中貿易戦争で中国を気にしている日本でも排除を行うようになったという外交の強気 »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

ここまできちんと解説しているマスメディアはないですね。ありがとうございました。

投稿: 大和 | 2018年12月18日 (火) 22時18分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 水道法改正と民主党政権時の「コンクリートから人へ」という誤った民意誘導の無責任:

« マスコミ批判に関する一考(419) 外交機密を離させようといて答えないと批判するマスコミの「外交音痴」と「亡国の自由」 | トップページ | ファーウェイCFO逮捕と米中貿易戦争で中国を気にしている日本でも排除を行うようになったという外交の強気 »